統率者の要点
- 虚空喰らい、ズロドックは、手札から唱えるマナ総量7以上の無色呪文に「続唱、続唱」を与える統率者。大型エルドラージや重量級アーティファクトを唱えるたび、2回の続唱で一気に盤面と手札差を広げる。
- キーは「手札から唱える」ことと「7以上」。踏み倒しで戦場に出すだけでは誘発せず、また6以下では誘発しないため、デッキは重厚なトップエンド+それを支える強固なマナ加速に寄せるのが正解。
- 相性の良いカード
- ウルザの空戦艇、リベレーター号:無色呪文に瞬速を付与。相手のエンドに大型呪文→続唱で安全に主導権を確保。
- 跳ね回るシケイダ:あなたの7点以上の無色呪文に瞬速。ズロドックと同じ閾値を共有し、待ち伏せ的に続唱を展開。
- 神秘の炉:ライブラリーの上から無色呪文を唱え続け、続唱の命中率と弾数を底上げ。
- ダークスティールのモノリス:手札から7点以上のアーティファクトを「毎ターン1枚」無償で唱えられる。ズロドックの続唱を確保する着火装置。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:大型エルドラージの連打と戦闘ダメージ。続唱で得た追加リソースで盤面除去や追放を差し込みつつ、巨体で押し切る。
- セカンダリ勝ち筋:アーティファクト・エンジンでの継続的優位。神秘の炉やコスト軽減(例:人知を超えるもの、ウギン)+大量のマナファクトから、歩行バリスタや荒廃鋼の巨像で即死圏に押し込む。
- ループの芽(条件のみ)
- コスト軽減+高密度の0–2マナマナファクト+クラーク族の鉄工所で大きなマナと手数が連鎖になりやすい。
- 連続して7点以上の呪文を「手札から」唱えられる状況(例:ダークスティールのモノリスや手札回復装置)だと、続唱が実質的な連鎖に。
デッキの骨子
- マナ加速:太陽の指輪、魔力の櫃、精神石、摩滅したパワーストーン、スランの発電機、玄武岩のモノリス、睡蓮の花、オパールのモックス、土地の爆発的加速(古えの墳墓、さびれた寺院、トロン各地形、エルドラージの寺院、見捨てられた神々の神殿、ウギンの迷宮)。
- ドロー・リソース:一つの指輪、神秘の炉、オルサンクのパランティール、プレインズウォーカー(人知を超えるもの、ウギン、精霊龍、ウギン)の継続的優位。
- 除去・対話:全ては塵、終焉の石、エルドラージの追放誘発や破壊不能突破、軽量の対応(歪める嘆き)。
- 保護・速度:速足のブーツ、稲妻のすね当てで大型の即時攻勢と的を絞った守り。
- 勝ち手段:エルドラージ・タイタン群/荒廃鋼の巨像の一撃/肥大化した歩行バリスタ。
- エンジン:ウルザの空戦艇、リベレーター号/跳ね回るシケイダで瞬速化、ダークスティールのモノリスで無償キャスト、次元橋で必要牌を直接展開、ウギンの目や発明博覧会でサーチ。
- 参考情報:ブラケット:3(アップグレード)
理由:明確なトップエンドと複数のチューター(ウギンの目、次元橋、ウルザの物語、土地群)を備え、中速〜やや高速で到達。無限の専用パッケージは薄く、卓の対話に付き合える構成。
※注意:無色統率者の構築ルール上、色マナ・シンボルを含むカードは採用不可。リストには該当しうるカードが含まれる可能性が高いため、各カードの色拘束の再確認を推奨。また、統率者戦で禁止の大型クリーチャーに該当する版が混在している可能性があるため、その枠は適法な別枠に差し替えるとよい。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 目標:2〜3ターン目に4〜6マナへ到達。トロンや高出力土地を優先展開。
- 優先行動:古えの墳墓やウギンの迷宮スタート→太陽の指輪、精神石、スランの発電機などへ接続。ウルザの物語は第III章で0–1マナのマナファクト(水蓮の花びら、オパールのモックス、場合により太陽の指輪)を確保。
中盤
- 目標:ズロドック着地前後に瞬速基盤を用意し、相手ターン終了時に7点以上を投げる。
- キー:ウルザの空戦艇、リベレーター号/跳ね回るシケイダ、または人知を超えるもの、ウギンのコスト軽減+神秘の炉の上積み。
- 対話:横並びが重い卓は全ては塵や終焉の石を温存。単体の厄介な置物や統率者はエルドラージのキャスト誘発やプレインズウォーカーで処理。
終盤
- 目標:大型を連打し続唱で差を固定。ヘイスト付与でクロックを最大化。
- 締め:着地ターンに稲妻のすね当て/速足のブーツを装着して一気に詰める。リソースが潤沢なら次元橋で必要札(除去や締め駒)を即時呼び込む。全体除去が見える卓では、手札に次の7点超えを1枚温存しておく。
代表的なターン例
- 先手:T1 古えの墳墓 → 太陽の指輪 → 精神石 → T2 スランの発電機 → T3 虚空喰らい、ズロドック → T4 EOTにダークスティールのモノリス、自ターンに7点以上の大型を無償キャストして続唱×2。
- 後手:T1 土地 → ウルザの物語 → T2 第II章進行+ウルザの空戦艇、リベレーター号 → T3 第III章で水蓮の花びら(または太陽の指輪)取得→6マナ到達 → T4 相手エンドに7点以上を瞬速で投げ、続唱で盤面形成。
マリガン指針
- 目安:土地2〜3+初動マナファクト1〜2+行き先(ドローか到達札)1枚。7点以上の手札弾が1枚あると理想。
- 良手の例1:古えの墳墓/発明博覧会/太陽の指輪/精神石/スランの発電機/歪める嘆き/全ては塵。高速到達+最小限の対話を両立。
- 良手の例2:ウルザの物語/家路/オパールのモックス/水蓮の花びら/一つの指輪/跳ね回るシケイダ/7点以上の大型。物語で初動を固め、瞬速基盤から安全に展開。
相性とメタ調整
- 全体除去多め卓:手札に大型を1枚温存し、ウルザの空戦艇、リベレーター号で相手エンド展開。一つの指輪で再建力を担保。
- 置物メタ厚め卓:全ては塵やエルドラージの追放誘発で面を剥がす。終焉の石のチャージは早めに。
- 高速コンボ卓:2マナ到達からの歪める嘆きを構え、発明博覧会からメタアーティファクトを探すプランを準備。クロックはヘイスト装備で短縮。
- 墓地多用卓:続唱から墓地対策を拾えるよう、0–1マナ域の墓地対策アーティファクトをサイド選択に想定すると安定。
キーカード解説(5〜8枚)
- ウルザの空戦艇、リベレーター号:大型を相手エンドに投下し続唱を安全運用。出したターンに構え直す余裕を作る。
- 跳ね回るシケイダ:7点以上に瞬速付与+自身も肥大化。相手のタップアウトに合わせて射出するのがコツ。
- 神秘の炉:上から唱えて手数を増やす中核。土地密度が高いと詰まりやすいのでフェッチやドローを併用。
- 見捨てられた碑:無色クリーチャー強化と無色マナの倍加で爆発力アップ。マナ基盤が安定した後に着地させたい。
- 一つの指輪:ターン跨ぎの無敵化+大量ドロー。寿命管理のため、リスクがある場面ではタップしない選択も。
- ダークスティールのモノリス:毎ターン無償で7点以上のアーティファクトを唱え、ズロドックの続唱を確保。設置直後は除去を誘いやすい点に注意。
- ウギンの目:コスト軽減とサーチの二役。軽減は重ねがけで体感が激変するため、早めに設置。
- 全ては塵:色パーマネント一掃。こちらの大半は無色なので被害最小で盤面をリセットできる。
失敗例と回避策
- 早すぎるズロドック着地 → 瞬速基盤や保護が無いなら1ターン待ち、相手エンドに大型→続唱の順で安全運用。
- 続唱の弾切れ → 0–2マナのマナファクトやドローを十分確保してから7点以上を唱える。
- 装備の過信 → 稲妻のすね当てや速足のブーツは除去に弱い。装備対象は最低限に留め、再装備のマナも計上。
- 全体除去に巻き込まれる → 全ては塵や終焉の石を先に抱えて主導権を持ってから横並び。
- 有色カードの紛れ込み → 無色統率者では色マナ・シンボルを含むカードが不適合になりやすい。採用前に色拘束を再確認。
ルール備忘
- ズロドックの続唱は「手札から唱える」「マナ総量7以上」の無色呪文のみ。戦場に直接出す(例:次元橋)だけでは誘発しない。
- ダークスティールのモノリスからの無償キャストは「手札から唱える」ため、ズロドックがいれば続唱が誘発する。
- 全ては塵は「色のある」パーマネントのみを生け贄にする。無色の自軍(アーティファクト/エルドラージ)は基本的に巻き込まれない。
置換・アップグレード案
- 探検の地図:任意土地サーチ。ウギンの目やトロン各地形、状況に応じたユーティリティ土地へ到達。
- 多用途の鍵:アーティファクトの起動型能力の再利用とアンブロッカブル付与。玄武岩のモノリスや大型装備の運用を強化。
- ヴォールトの鍵:タップアーティファクトの再起動に特化。マナエンジンの出力を底上げ。
- 面晶体の記録庫:中盤の4マナ加速+後半の2ドローで手詰まり回避。続唱でめくれても嬉しい。
- 夢石の面晶体:より重いが手札補充力が高い。リソース勝ちを目指す卓で有効。
- トーモッドの墓所:0マナの即応墓地対策。続唱の命中先としても扱いやすい。
- 鋼のヘルカイト:着地後に広範囲除去を内蔵する飛行フィニッシャー。装備のヘイスト付与と好相性。
- 埋没した廃墟:キーカードの回収手段を土地枠で確保。長期戦の粘りに寄与。
- ミシュラの工廠:クリーチャー化する土地。装備を乗せてクロックを補助し、全体除去後の再展開までの繋ぎに。
以上。無色の重厚なマナ基盤と、7点以上を連射する構成が噛み合うと、ズロドックの続唱が雪だるま式に優位を築きます。色拘束と禁止カードの適法性を確認しつつ、瞬速基盤・コスト軽減・サーチの3点を丁寧に積み上げることが、このリストを最大出力へ導く最短ルートです。
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