注記:ゲームチェンジャーが1枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 3 です。
統率者の要点
- エラントとジアーダは、瞬速と飛行を備え、ライブラリーの一番上をいつでも確認できる。さらに「飛行」か「瞬速」を持つ呪文をライブラリーの一番上から唱えられるため、実質的な継続的ドロー源として機能し、相手のターンにも展開し続けられる。
- このリストでは、軽量の飛行クリーチャーと一部の瞬速持ちを多めに採用。コスト軽減とトップ操作を合わせ、ライブラリーの一番上から“ほぼ手札の延長”として唱え続けることで手数とテンポを両立する。
- 波破りの海馬:相手ターンに唱える1枚目でドロー。統率者の能力と最高の相性。
- 見張るもの、ヴェイガ:手札以外から唱えるたびにドロー。統率者でトップから唱える行為がそのまま増強になる。
- イーヴォ島の管理人:飛行クリーチャーのコスト軽減。トップからの連打を現実的にする。
- 天穹の鷲:飛行シナジーの打点底上げ。クロックの加速役。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:飛行部隊の横展開と全体強化で空から殴り切る。統率者の疑似手札増により手数で押し、相手ターンにも展開して盤面とカード差を広げる。
- セカンダリ勝ち筋:継続ドローエンジンで圧倒しつつ、除去・打ち消しで守りながら大型で着地勝ち(例:聖別されたスフィンクス、天空の刃、セファラ、真実の確信による一斉攻撃)。
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:太陽の指輪、各種マナファクト(秘儀の印鑑、アゾリウスの印鑑、発展のタリスマン、真珠の大メダル、サファイアの大メダル、乳白色のダイアモンド、空色のダイアモンド、思考の器、装備の精霊信者の剣・探査の短剣)
- ドロー:波破りの海馬、風読みのスフィンクス、聖別されたスフィンクス、オグマの文書管理人、トップからの継続キャスト(統率者)
- 除去:流刑への道、剣を鍬に、急速混成、ヘリオッドの指図、過大な贈り物、プレインズウォーカーの放浪皇、全体対策の砂への挑戦
- 保護:無私の霊魂、ガーディアン・オヴ・フェイス、永遠の見守り、装備の速足のブーツ・稲妻のすね当て
- 勝ち手段:飛行部隊+全体強化(天穹の鷲、雷鳴のワイヴァーン、美徳の力、真実の確信)、大型の打点圧殺(天空の刃、セファラ、聖別されたスフィンクス)
- エンジン:統率者+師範の占い独楽や渦まく知識でのトップ操作、見張るもの、ヴェイガでの追加ドロー
- 参考情報:ブラケット:3
- 理由:安定したエンジンと妥当な相互作用を備えたアップグレード級。ゲームチェンジャーは聖別されたスフィンクスの1枚構成(GC枚数1)で、爆発力はあるがcEDH寄りの速度には未到達。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2〜3ターン目までにマナファクトを2個前後展開。師範の占い独楽があれば優先して設置し、トップ固定→統率者でのキャスト成功率を高める。
- 低マナの飛行持ち(幽体の船乗り、フェアリーの黒幕、天球の見張り、羽信隊の随員など)でクロックを開始。イーヴォ島の管理人が早期に落ちると中盤以降の手数が段違い。
- 統率者は基本的に相手のエンド前に瞬速で着地。除去構えを示しつつ、安全なタイミングで盤面に出す。
中盤
- 統率者+トップ操作で毎ターン1〜2体の飛行を追加展開。波破りの海馬がいると相手ターンにも呪文を唱える動機が生まれ、手札が切れにくくなる。
- 打点増強(天穹の鷲、雷鳴のワイヴァーン、美徳の力)でクロックを早め、精霊信者の剣や探査の短剣でマナ基盤を押し上げる。泥棒スカイダイバーは隙を見て相手の太陽の指輪等を奪取。
- 盤面が込み合う卓なら、全体除去を受けにくい構えを維持(無私の霊魂、ガーディアン・オヴ・フェイス、永遠の見守り)。要所は秘儀の否定やマナ吸収で守る。
終盤
- 大型の着地(聖別されたスフィンクス、天空の刃、セファラ、風読みのスフィンクス)で継続優位を確定。真実の確信での全軍攻撃や、装備品の打点加速で一気に詰める。
- ライフレースが厳しい卓では太陽の神、ヘリオッドや天空の刃、セファラのライフゲインで粘る。セファラの破壊不能付与で全体除去耐性を得られると勝ち切りやすい。
代表的なターン例
- 先手:T2 イーヴォ島の管理人 → T3 エンド前にエラントとジアーダ → T4 トップから天穹の鷲+手札から1体の飛行で8〜10点前後の空中打点を形成
- 後手:T2 発展のタリスマン → T3 波破りの海馬(以降、相手ターンに1枚唱えてドロー確保)→ T4 雷鳴のワイヴァーンを相手の攻撃前に瞬速で出して打点・ブロックを両立
マリガン指針
- 土地2〜3+1枚以上のマナファクト+軽量の飛行(またはトップ操作)を基準にキープ。最良は「土地2+太陽の指輪 or 2マナの印鑑/タリスマン+1〜2マナの飛行」。
- どちらか一方が欠ける手札(マナ加速がない/軽量の展開がない)は再考。4マナ以上のカードが多すぎる手札は基本的にマリガン。
- 師範の占い独楽、渦まく知識のいずれかがあるなら、ややリスクを取ってもキープに価値あり。
相性とメタ調整
- 速いコンボ卓:打ち消し密度を増やす。候補はドビンの拒否権、沈黙、追加の1マナ打ち消し(色相応の範囲で)など。クロックを早め、2〜3人のうち1人へ圧を集中して牽制。
- 盤面横並び卓:全体対策を増量。至高の評決、厳粛な命令は自軍のサイズや種別に合わせて一方的になりやすい。
- アーティファクト多め:泥棒スカイダイバーの評価上昇。装備・マナファクトを的確に奪い、テンポ差を広げる。
- 単体除去が多い卓:速足のブーツ、稲妻のすね当ての装備優先度を上げ、キーカードを即保護。セヴィンの再利用でリソース復元。
キーカード解説(5〜8枚)
- 聖別されたスフィンクス:継続的な2枚ドローで卓全体に差をつけるゲームチェンジャー。守る価値が極めて高い。
- 天空の刃、セファラ:飛行4体をタップすることで軽く唱えられ、全軍に破壊不能を付与。全体除去環境で強力。
- 波破りの海馬:相手ターンの1枚目でドロー。統率者の「相手ターンにも唱える」プランをスムーズにする。
- 見張るもの、ヴェイガ:トップから唱えるたびにドロー。統率者の疑似手札増を実ドローに変換。
- イーヴォ島の管理人:飛行のコスト軽減で連打力を強化。統率者のトップキャスト成功率も向上。
- 雷鳴のワイヴァーン:瞬速+飛行軍強化。ブロック・奇襲・ダメ押しの三役をこなす。
- 天穹の鷲:常時+1/+1で打点を大幅に底上げ。トークンや小型飛行が多い構成に最適。
- 師範の占い独楽:トップ固定・回転による安定化。統率者の能力を最大限に活かす潤滑油。
失敗例と回避策
- 盤面に出し過ぎて全体除去で一掃される:飛行を2〜3体並べたら一旦ブレーキ。無私の霊魂や永遠の見守りを抱え、再展開を意識。
- 相手ターンの動きが弱い:波破りの海馬がない時でも、瞬速持ちやインスタントを1枚は構える。見せ札(秘儀の否定等)を示すだけでも牽制になる。
- トップから唱えられないカードが続く:師範の占い独楽、渦まく知識でトップを整え、無理に外すよりも「一番上を飛行に合わせる」意識を徹底。
- 装備のタイミングが遅れる:精霊信者の剣や探査の短剣は早めに装備・攻撃でマナ差を作る。除去が濃い卓では稲妻のすね当てを優先。
ルール備忘
- 統率者で「ライブラリーの一番上から唱える」場合も、通常のタイミング制限は守る必要がある。飛行のみを持つクリーチャーは自分のメイン・フェイズ限定、瞬速持ちなら相手ターンにも唱えられる。
- 「瞬速(フラッシュ)」はパーマネントのキーワードであって、インスタントそのものは瞬速を“持たない”。よって「瞬速を持つ呪文をトップから唱えられる」の対象は、瞬速を持つパーマネント(例:雷鳴のワイヴァーン、ガーディアン・オヴ・フェイス等)である点に注意。
- 永遠の見守りで追放したトークンは戻らない。非トークンのETBは帰還時に改めて誘発する。
- 探査の短剣は戦闘ダメージが通る前提。飛行でブロック回避し、早期に変身させてマナ加速に繋げる。
- セヴィンの再利用はフラッシュバックで2枚目も回収できる。3マナ以下のマナファクトや重要パーマネントを再確保可能。
- 波破りの海馬は「各対戦相手のターン」ごとに1回ずつ誘発する。3人卓なら最大で自ターン外に3枚の追加ドローが見込める。
置換・アップグレード案
- 追加のドロー・妨害
- リスティックの研究:継続ドローの王道。統率者の手数と合わさるとカード差が急拡大。
- 覆いを割く者、ナーセット:相手の多枚ドローを抑制しつつ自分は掘り進める。青相手に特に刺さる。
- 意志の力、ドビンの拒否権:タップアウトしづらい中盤以降の保険。
- 盤面制圧・リセット
- サイクロンの裂け目:不利盤面を一転させる切り返し。テンポ勝ちを狙う本デッキに適合。
- 至高の評決、厳粛な命令:横並び卓での保険。自軍に有利なモード選択が可能。
- 展開速度の底上げ
- 厳かなモノリス、魔力の櫃、モックス・ダイアモンド、金属モックス:3〜4ターン目の二面展開を現実化。色の安定に留意。
- 瞬唱の魔道士、厚かましい借り手:相手ターンに仕事をする瞬速枠の強化。
- 予算調整(ダウンシフト)
- 高額土地(フェッチ・ショック)を基本土地やチェックランド等に置換。序盤の色安定に注意すれば実用域。
- 聖別されたスフィンクスの代替に、打点とカード供給を兼ねる中堅(例:追加のスフィンクス系ドロー、生成持ちの飛行クリーチャー)を採用。攻防のバランスを意識して枚数調整。
最後に一言
白青の「瞬速×飛行」テンポに、トップからの継続キャストという独自のエンジンを加えたのがエラントとジアーダ。相手ターンにも展開して手数を絶やさないのが上達の鍵だ。トップ操作とコスト軽減を意識すれば、毎ターンの最善手が見えてくる。卓の速度に合わせた妨害の厚み調整で、安定した勝ち筋を築いていこう。
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