注記:ゲームチェンジャーが1枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 3 です。
統率者の要点
- ティムールの咆哮、エシュキは、大型クリーチャーの展開に報酬を与える設計の統率者。パワーの大きいクリーチャーを唱える・戦闘に参加させることで追加の手数やテンポが生まれやすく、手数と打点を同時に伸ばすプランに合致する。リストは「パワー4以上」を参照する支援札を多めに取り、着地直後のドローや速攻付与で雪だるま式に優位を築く構造。
- 相性の良いカード
- ティムールの隆盛:パワー4以上でドロー+全体に速攻。着地後すぐ殴る流れを作る中核。
- ガラクの蜂起:同じくパワー4以上でドロー+全体にトランプル。打点を損なわず手札が増える。
- グレートヘンジ:踏み倒し的なコスト軽減+継続ドロー+回復。大型連打の燃料。
- うろつく玉座:エシュキと同じクリーチャー・タイプを選ぶことで、統率者や一部クリーチャーの誘発を倍増させやすい。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:パワーの大きいクリーチャーに速攻とトランプルを与え、戦闘ダメージで押し切る。特にティムールの隆盛とガラクの蜂起が並ぶと、着地=ドロー+即時攻勢となり勝ち筋が太くなる。稲妻のすね当てや速足のブーツも到達点を早める。
- セカンダリ勝ち筋:ETBや「唱えたとき」誘発をダメージに変換して面を崩壊させる。峰の恐怖やコジレックの封印破りで着地のたびにライフと盤面へ圧力をかけ、船砕きの怪物で相手のテンポを奪いながら打点を通す。序盤はファイレクシアン・ドレッドノート+とんずらで早期に12/12を確保するルートもあり得る。
デッキの骨子
- 役割分担の総括
- マナ加速:極楽鳥、喜ぶハーフリング、イリーシアの女像樹、桜族の長老、遥か見、自然の知識、三顧の礼、耕作、太陽の指輪、秘儀の印鑑、中盤のガイアの眼、グウェナ/野生の心、セルヴァラ/まどろむ島、アリクスメテス。
- ドロー:ティムールの隆盛、ガラクの蜂起、グレートヘンジ、野生の心、セルヴァラ、ETBの厚い大型群(例:原初の征服者、エターリ、嘶くカルノサウルス)で実質的なアドバンテージ。
- 除去:内にいる獣、混沌のねじれ、冒涜の行動、格闘系や着地誘発(カル・シスマの恐怖、殺し爪、嘶くカルノサウルスなど)。
- 保護:頑固な否認、秘儀の否定、英雄的介入、そしてゲームを大きく動かす偏向はたき。
- 勝ち手段:打点と誘発ダメージ(峰の恐怖、コジレックの封印破り)。一点突破は歓楽の神、ゼナゴスが後押し。
- エンジン:精霊の魂、アニマー、ガイアの眼、グウェナ、グレートヘンジ、ティムールの隆盛、ガラクの蜂起、支援枠のうろつく玉座。
- 参考情報:ブラケット:3(中堅上位の完成度。ゲームチェンジャーは1枚のみ(偏向はたき)で、マナ基盤と支援は充実しつつもcEDH級の高速性・対話密度には届かない構成。)
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2ターン目までに極楽鳥/喜ぶハーフリング/桜族の長老/遥か見/自然の知識/三顧の礼のいずれかで確実にマナを伸ばす。可能ならティムールの隆盛かガラクの蜂起を先に設置し、以降の大型が自己補充になる形を作る。
- 対面が速い卓では頑固な否認や秘儀の否定を構え、最初の全体除去や無限コンボを咎める準備を優先。
中盤
- 5〜7マナ域の強い着地を連打。理想は、ドロー支援(ティムールの隆盛やガラクの蜂起)を設置済みで、そこに峰の恐怖や原初の征服者、エターリ、嘶くカルノサウルスを重ねる形。グレートヘンジが絡めばマナと手札が雪だるま式に増える。
- 盤面への干渉は、単体なら内にいる獣や着地誘発、広い面には冒涜の行動でリセット。自軍の被害が大きいときは無理に打たず、殴り勝てるラインを見極める。
- 重要パーマネントは英雄的介入で守り、危険な単体除去や打ち消しは偏向はたきで返す。
終盤
- 一点突破は歓楽の神、ゼナゴスで最大化。二段構えの保護(打ち消し+軽量インスタント)を用意し、フルアタックのターンを見極める。
- コントロール卓では船砕きの怪物を軸に、非クリーチャー呪文(装備や保護呪文、マナ加速)を絡めて相手のパーマネントやスタック上の呪文を都度バウンスし、実質的なロックに寄せる。
代表的なターン例
- 先手:T2 桜族の長老 → T3 ティムールの隆盛 → T4 原初の征服者、エターリ(ドロー+速攻で即攻勢)
- 後手:T1 喜ぶハーフリング → T2 耕作 → T3 峰の恐怖 → T4 グレートヘンジ(以降の高CMC着地がそのまま打点+除去に転化)
マリガン指針
- 土地2〜3+軽量のマナ加速(1枚以上)が基本ライン。支援(ティムールの隆盛/ガラクの蜂起/グレートヘンジのいずれか)か、5〜7マナ域の決定力(峰の恐怖や原初の征服者、エターリ)があると理想。
- 土地が2枚でも太陽の指輪/秘儀の印鑑/1マナマナクリがあればキープ寄り。
- 高コストばかりで初動がない手札、保護だけが重なった手札は戻す。卓が早いなら軽打ち消し(頑固な否認/秘儀の否定)を優先。
相性とメタ調整
- 得意:中速レンジ/プレインズウォーカー多めの卓。誘発ダメージと速攻で主導権を握りやすい。
- 苦手:タックス系や継続的なマナ妨害、全体除去の密度が高い卓。アーティファクト・エンチャント対策の枚数を増やす調整が有効。
- 調整案
- 対トークン・横並び:サイクロンの裂け目(アップグレード欄で後述)
- 対アーティファクト/エンチャント:混沌のねじれの増量や、軽量の自然破壊呪文の追加
- 対青(打ち消し密度の高い卓):偏向はたきの使いどころを重視し、着地ターンは二枚構えで進行
キーカード解説(5〜8枚)
- ティムールの隆盛:速攻付与とドローが一体化。本体が除去されてもカードは減らず、攻めの再現性が高い。
- ガラクの蜂起:トランプル付与で打点を損ねない。大型のETBがそのまま補充に繋がる。
- グレートヘンジ:序盤にサイズを作れれば実質踏み倒し。以降は毎ターンのキャストがアドとライフゲインに変換される。
- 精霊の魂、アニマー:クリーチャーのキャストで軽くなり、連続着地を後押し。カウンターの積み上げでサイズも自然に伸びる。
- 峰の恐怖:自軍のETBをダメージに変換。大型が多い構成では除去とクロックを同時に供給する。
- 原初の征服者、エターリ:唱えた瞬間からリソース差が開きやすく、速攻が付けば即リターンを確保。
- 船砕きの怪物:打ち消されず、こちらが呪文を唱えるたびに相手の呪文やパーマネントを弾ける。終盤の制圧力が高い。
- 偏向はたき:一点読みの切り返し。単体除去・ドロー・打ち消し・抜き打ちコンボなど幅広くひっくり返せる。
失敗例と回避策
- 高コストを抱えすぎて初動が遅れる:1〜3マナ帯の加速がない手札は積極的に戻す。
- 先に大型を置いてから支援を貼る順番ミス:可能ならティムールの隆盛/ガラクの蜂起→大型の順で展開し、着地時点でドロー・速攻を得る。
- 装備を先に置いて無駄打ちされる:稲妻のすね当て/速足のブーツは本命と同ターンにまとめて運用し、的を絞らせない。
- 全体除去に全乗りして壊滅:メイン2での過剰展開を避け、英雄的介入の構えを維持。打ち消し卓相手には頑固な否認も温存。
- ファイレクシアン・ドレッドノートのETB解決ミス:破壊不能では回避できない。とんずらなどでフェイズ・アウトするか、誘発を打ち消す手段を用意してから展開する。
ルール備忘
- 喜ぶハーフリングの伝説マナで唱えた伝説呪文は打ち消されにくくなる。統率者や原初の征服者、エターリ等に使う価値が高い。
- うろつく玉座は「名前」ではなく「クリーチャー・タイプ」を選ぶ。選んだタイプのあなたのクリーチャーの誘発が倍増する。エシュキと同タイプを選ぶのが基本線。
- 船砕きの怪物の誘発は「呪文を唱えたとき」。ETBでは誘発しない点に注意。
- 稲妻のすね当ての被覆は、装備中は他の装備が付け替えられない。付け替え順に注意。
- ゾパンドレルは戦闘開始時に全体のサイズを倍化するため、攻撃順・ブロック想定を事前に計算しておく。
- ファイレクシアン・ドレッドノートはETB誘発で規定の生け贄ができなければ自壊する。フェイズ・アウト中は生け贄にできないため、とんずらで回避しやすい。
置換・アップグレード案
- 打開力と対話を底上げ
- リスティックの研究:継続ドロー源。長期戦の粘りが大きく向上。
- ジェスカの意志:マナ爆発か手札爆発のいずれかを確実に供給。大型連打の橋渡しに。
- サイクロンの裂け目:横並びや高密度パーマネントへの一掃。非対称性が強み。
- 一つの指輪:即時ドロー+一時的な防護。消耗戦の主導権を握る。
- クリーチャー・チューター/踏み倒し
- 俗世の教示者:必要なフィニッシャーや支援に素早くアクセス。
- 神秘の教示者:重要なインスタント/ソーサリー(保護やリセット)へ到達。
- 自然の秩序:中型を大型に変換して打点を一気に確保。
- 適者生存:状況に応じた生物サーチの連打でゲームプランを柔軟に。
- マナ基盤の強化
- 厳かなモノリス/魔力の櫃:爆発的なマナで7マナ圏の着地を前倒し。
- 輪作:必要地形(色基盤や特殊地形)への即アクセス。土地選択の幅が広がる。
- 古えの墳墓:ライフをコストに初動を加速。中盤の二枚行動が増える。
入れ替え先の例としては、部族相性が薄い群れの家宝や、卓の速度に合わない重い加速(例:不屈の自然)を環境に応じて軽量化するのが分かりやすい。除去密度が足りない卓では混沌のねじれの枠を増やすのも選択肢。
最後に一言
大型を“貼るだけ”でターンが返ってくることは少ない。本リストは、着地そのものを手数と圧力に変える手段(ティムールの隆盛、ガラクの蜂起、峰の恐怖、グレートヘンジ)を厚く積み、さらに偏向はたきや英雄的介入で通し切る構造が魅力。序盤のマナ基盤と支援の順序を丁寧に重ね、最初の大型から一気に主導権を握ろう。
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