注記:ゲームチェンジャーが0枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 1 です。
統率者の要点
- 隠者、マトーヤは青単の長期戦向け統率者。小さな占術とドロー、トップ操作を積み重ね、要所で打ち消しを構えながら差を広げるプランに合致する。軽量インスタント・ソーサリーと常在型エンジンを並べると、一手ずつの価値が大きくなる。
- 相性の良いカード
- 岐路の占い師、エリゲス:占術を追加ドローに変換し、手数と粘りを飛躍的に強化。
- ジェイスの聖域:呪文のコスト軽減+占術で、連打と質の両立を実現。
- ヴァントレス城:余剰マナを占術に変換し、常に必要牌へ寄せる。
- サファイアの大メダル:青呪文の連打を後押しし、対話と展開の両立を容易にする。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:占術・ドロー・コスト軽減で手数を伸ばしつつ、空召喚士ターランドや空夢想士、アランドラのトークンで空から押し切る。打ち消しで全体除去や大型の着地を咎め、テンポ優位のままクロックを通す。
- セカンダリ勝ち筋:継続ドローで精神の病を這うもののライフ損失を蓄積させるか、山札を使い切って研究室の偏執狂で勝利。いずれもエンジン起動後の短期決戦向き。
デッキの骨子
- 役割分担の総括
- マナ加速:太陽の指輪、秘儀の印鑑、友なる石、空色のダイアモンド、サファイアの大メダル、久遠なる栄光の笏、かごの中の太陽。
- ドロー:定業、血清の幻視、考慮、選択、宝船の巡航、アズカンタの探索、レンバス、精神迷わせの秘本。
- 除去/対話:白鳥の歌、対抗呪文、秘儀の否定、解消、悪意ある妨害、急速混成、猿術、許可なき脱出、断れない提案。
- 保護:稲妻のすね当て、速足のブーツ、各種打ち消し。
- 勝ち手段:空召喚士ターランド、空夢想士、アランドラ、精神の病を這うもの、研究室の偏執狂。
- エンジン:ジェイスの聖域、岐路の占い師、エリゲス、神秘の聖域、ヴァントレス城、Soldevi Excavations、珊瑚兜への撤退。
- 参考情報:ブラケット:2
- 理由:ゲームチェンジャー(GC)枚数0。高効率マナや強圧的な拘束は薄いが、占術エンジン+対話で安定したゲームメイクが可能な中核レベル。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2〜3枚の土地と太陽の指輪や秘儀の印鑑を優先展開。余剰マナは定業、血清の幻視、考慮で質を確保。
- 盤面干渉は最小限にとどめ、脅威的な加速や早期コンボのみ対抗呪文、白鳥の歌で咎める。
- フェアリーの予見者、シルヴァー・レイヴン、印章持ちのヒトデで占術を刻み、キーパーツへ寄せる。
中盤
- ジェイスの聖域やサファイアの大メダルを通し、呪文連打の下地を作る。以降は1ターンに2枚以上の呪文を唱えられるよう意識。
- ここで空召喚士ターランドや空夢想士、アランドラを着地。以後のキャントリップがクロック化するため、優先して守る。
- ヴァントレス城、Soldevi Excavations、トカシアの採掘場でトップを操作し、神秘の聖域のトップ戻しと噛み合わせて同じ優秀呪文を繰り返し確保。
終盤
- トークンが十分なら全体除去に合わせて構え、相手のメインで白鳥の歌や解消を切り、返しに一気に打点を伸ばす。
- リソースが潤沢なら精神の病を這うものでドローをダメージに変換。山札が薄いなら研究室の偏執狂に寄せ、打ち消し2枚程度をバックに安全に決める。
- マナが余る局面ではかごの中の太陽や久遠なる栄光の笏の出力で二重三重の構えを作り、相手に窓を与えない。
代表的なターン例
- 先手:T2 サファイアの大メダル → T3 ジェイスの聖域+定業 → T4 空召喚士ターランド(構えに断れない提案)
- 後手:T2 友なる石 → T3 久遠なる栄光の笏 → T4 岐路の占い師、エリゲス(エンドにヴァントレス城起動で即ドロー加速)
マリガン指針
- 基本キープ条件:土地2〜3+(マナファクト1〜2)+(キャントリップ1)+(打ち消し1)。これにジェイスの聖域かサファイアの大メダルがあれば最高。
- 重いカード(6マナ以上)とインタラクション不在が同居する手札は戻す。逆に対話過多で展開がない手札も避ける。
- メタに早いデッキが多い卓では、急速混成や猿術、安い打ち消しを優先して残す。
相性とメタ調整
- クリーチャー横並び:昇圧された除去が薄い構成。全体バウンスを足すなら後述の「サイクロンの裂け目」案が有力。
- ドロー系コンボ:青同卓には秘儀の否定、多色卓には追加で否認系を増量し、常に2枚構えを意識。
- 粘るコントロール:アズカンタの探索やヴァントレス城を先に通し、長期のアドバンテージ勝負に持ち込む。神秘の聖域ループで決め札を回収し続ける。
- 置物・墓地メタ:青は触りづらいため、無色枠でトーモッドの墓所や墓掘りの檻の採用を検討。
キーカード解説(5〜8枚)
- 岐路の占い師、エリゲス:占術をドローに置換する最重要エンジン。フェアリーの予見者やヴァントレス城、Soldevi Excavationsと噛み合い、1ターン複数ドローを恒常化。
- ジェイスの聖域:インスタント/ソーサリーの軽減+占術。定業や血清の幻視の連打を可能にし、打ち消しを構えながら手を進められる。
- 空召喚士ターランド:キャントリップがそのままクロック化。打ち消しを撃ってもトークンが増えるため、攻防の両立が容易。
- 空夢想士、アランドラ:各ターン2枚目のドローでドレイク生成。レンバスや宝船の巡航、エンド起動のヴァントレス城とも好相性。
- 精神の病を這うもの:ドローがダメージに転化。エンジンが回り出したら一気にテーブルへ圧力をかける。
- 研究室の偏執狂:山札切れ時の勝ち札。設置ターンは必ず打ち消しで保護。神秘の聖域で保険の打ち消しをトップに積んでから決めるのが安全。
- 神秘の聖域:3枚以上の他の島があれば優良呪文をトップへ。珊瑚兜への撤退や各種占術と組み、引きたいターンに確実に引き込む。
- かごの中の太陽:単色なら強力な継続加速。打ち消し2枚構えや、トークン+キャントリップの二部構成ターンを支える。
失敗例と回避策
- 早出ししたクロックが全体除去で一掃される:トークン源は2枚目が見えるまで展開を我慢。マナに余裕があれば設置後は常に1枚以上の打ち消しを保持。
- 宝船の巡航の激唱で墓地を空にしてしまい、神秘の聖域の的が消える:重要スペル(打ち消し/全体バウンス候補)は1枚は墓地に残す配慮を。
- 岐路の占い師、エリゲス下で「占術した実績」を前提に動く:置換効果で「実際には占術していない」点に注意(下記ルール参照)。必要な誘発がある場合はエリゲス不在ターンで稼ぐ。
- カードを引き過ぎて手札事故:デカンター・オヴ・エンドレス・ウォーターや聖遺の塔を優先して設置し、手札上限を撤廃。
ルール備忘
- 岐路の占い師、エリゲスは置換効果。「占術するなら、その枚数のカードを引く」に置き換えるため、「あなたが占術したとき」に反応する誘発は起きない。占術自体も行わない。
- 神秘の聖域は他に島が3枚以上あればアンタップインし、墓地のインスタント/ソーサリーを「トップに置く」。引くのではないため、ドロータイミングに注意。
- 白鳥の歌は相手に2/2飛行を与える。盤面が拮抗している時は本体着地に撃つと返しの打点で不利になりやすい。
- サファイアの大メダルは青の呪文のみ軽減。アーティファクトや無色スペルには効かない。
置換・アップグレード案
- 役割強化(同コンセプト内)
- IN:渦まく知識、思案、否認、払拭、神秘の教示者、サイクロンの裂け目、サメ台風、リスティックの研究
- OUT候補:テンポに寄与しにくい重いクロック(例:ETBとシナジーが薄いフライヤー)、汎用性の低い置物(例:用途が被るマナファクトの過剰枚数)
- マナ基盤の調整
- IN:追加の島、ドロー付き土地(例:水晶の岩屋のように占術を持つ土地)
- OUT:テンポを損ねるタップイン無色地が多い場合は枚数を削減
- パワーアップ(ブラケット上昇を伴う)
- IN:サイクロンの裂け目(テーブル全体を大きく巻き戻す)、リスティックの研究(放置されにくい継続ドロー)、一つの指輪(高密度ドローと一時的な守り)
- 備考:これらはゲーム展開を一変させるカード群で、投入すると卓の体感難易度が上がりやすい。
最後に一言
占術で質を整え、必要な時に必要な札を引く——青単らしさを突き詰めた構成です。打ち消しを「撃つ勇気」と「温存する冷静さ」のバランスが勝敗を分けます。小さな占術を軽んじず、1ターン1ターンの最適化を積み重ねて、確実に勝ち手段へつなげましょう。
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