注記:ゲームチェンジャーが3枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 3 です。
統率者の要点
- ジェノムの魔術師、クジャは、非クリーチャー呪文を連打して手数と打点を伸ばす構成に非常に寄せられている。赤の「追放から唱える」カードと黒のドロー/犠牲シナジーを束ね、トークン生成やバーン誘発を積み上げることで、一気に卓を押し切る設計になりやすい。
- このリストでは、軽量インスタント/ソーサリー+マナファクトで手数を稼ぎ、誘発源(バーン、トレジャー、トークン)を並行して置きながら、終盤は爆発的に伸ばすプランが中心。特に以下は相性が高い。
- 語りの神、ビルギ:呪文を唱えるたびに赤マナ供給。手数の上限を押し上げる心臓部。
- 嵐窯の芸術家:インスタント/ソーサリーでトレジャー量産。実質的なマナ加速兼勝ち手段の土台。
- どぶ潜み:呪文を唱えるたびに全体バーン。着地後は放っておくとゲームを決める。
- ボーラスの城塞:トップから連鎖して実質的にターンを獲得。フィニッシャー。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:非クリーチャー呪文の連打で誘発を積み上げ、どぶ潜みやウラブラスクの継続ダメージで卓全体を削り切る。トレジャー供給が十分なら一気に到達しやすい。
- セカンダリ勝ち筋:トークン横並び(セッジムーアの魔女ほか)から戦闘で詰めるか、ボーラスの城塞の「10体生け贄→各対戦相手10点」能力で締める。大虐殺の審美家、ジュディスの死亡誘発で追加打点を確保。
- 補足的な圧力:輪の大魔術師のホイールで手札を更新しつつ誘発源を複数回動かし、実質的な「擬似ストーム」ターンを作る。
デッキの骨子
- 役割分担の総括
- マナ加速:2マナロック群(秘儀の印鑑、ラクドスの印鑑、炭色のダイアモンド、緋色のダイアモンド、精神石、思考の器)+トレジャー生成(大勝ち、予想外の授かり物、嵐窯の芸術家、語りの神、ビルギ)。
- ドロー:赤の衝動的ドロー(無謀なる衝動、レンの決意、舞台照らし、ジェスカの意志)、黒の継続ドロー(ファイレクシアの闘技場、血に染まりし洞察)、犠牲ドロー(命取りの論争)。
- 除去:全体火力(冒涜の行動、毒の濁流)、万能弾(混沌のねじれ)+スポット除去数枚(リスト内の単体除去枠)。
- 保護:偏向はたきを中心に、打ち消しに弱いターンを守る。
- 勝ち手段:継続バーン(どぶ潜み、ウラブラスク)、トークン横並びからの打点、ボーラスの城塞の連鎖と10点能力。
- エンジン:語りの神、ビルギ、嵐窯の芸術家、セッジムーアの魔女、ファイレクシアの闘技場、頭蓋骨絞め、必要に応じてうろつく玉座で誘発倍化。
- 参考情報:ブラケット:3
- 理由:ゲームチェンジャーが3枚(ジェスカの意志、ボーラスの城塞、偏向はたき)。これらが揃うと一気に勝ちに近づくが、cEDHほどの密度ではないため最適化直前の段階。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2マナロックを優先して盤面に。可能ならT2に秘儀の印鑑やラクドスの印鑑、精神石へ。
- 誘発源の先置きが重要。どぶ潜み、セッジムーアの魔女、嵐窯の芸術家のいずれかを最初の脅威として着地させる。
- 赤の衝動的ドロー(無謀なる衝動、レンの決意、舞台照らし)は、土地が詰まっているときほど強い。プレイ可能なタイミングで無駄なく消化する。
- 通報の角笛を引いたら、クリーチャー・タイプは卓と自分のリストを見て「邪術師」や「魔道士」を選ぶと誘発の重複が得やすい。
中盤
- エンジン2枚体制を目指す。例:語りの神、ビルギ+嵐窯の芸術家、またはセッジムーアの魔女+頭蓋骨絞め。
- トレジャーでマナを伸ばしつつ、ジェスカの意志で更に手数を増やす。ここが最初の「伸びるターン」になりやすい。
- 対戦相手の盤面が膨らむようなら、毒の濁流や冒涜の行動で一度リセット。自軍のトークンは死んでも大虐殺の審美家、ジュディスが打点に変換してくれる。
- 混沌のねじれは万能解答。置物コンボや到達直前のプレインズウォーカーに当て、事故を未然に防ぐ。
終盤
- ボーラスの城塞を通すタイミングを見極める。ライフと盤面に余裕があるならトップからの連鎖に賭ける価値が高い。
- 連鎖が止まりそうなら無理をせず、一度輪の大魔術師などで手札を再装填してから再挑戦。
- トークンが十分に揃っていれば、ボーラスの城塞の生け贄10体→10点で締めるルートが現実的。セッジムーアの魔女のペストや各種トークンでカウントを稼ぐ。
- 重要なターンは偏向はたきで守る。単体除去や打ち消しをいなして、一気に勝ち筋へ。
代表的なターン例
- 先手:T2 秘儀の印鑑 → T3 語りの神、ビルギ → T4 嵐窯の芸術家+無謀なる衝動+(めくれた軽量呪文を連打)でトレジャー増産、打点とマナを同時拡張。
- 後手:T2 セッジムーアの魔女 → T3 ジェスカの意志(統率者がいればドロー+赤マナ)→ 予想外の授かり物で更にトレジャー → T4 ボーラスの城塞着地からトップを連鎖、決定打へ。
マリガン指針
- キープ優先
- 土地2〜3(赤マナ源1枚以上)+2マナロック1枚以上。
- 誘発源1枚(どぶ潜み、セッジムーアの魔女、嵐窯の芸術家、ファイレクシアの闘技場のいずれか)。
- 手札更新(無謀なる衝動、レンの決意、舞台照らし)があれば理想。
- 返す基準
- 4マナ以上が多く、序盤の行動が乏しい手札。
- 装備(頭蓋骨絞め、バジリスクの首輪)だけが並び、相方がいない手札。
- 赤マナがなく、手札の加速が赤に寄っている手札。
相性とメタ調整
- クリーチャー横並びが多い卓
- 全体火力を増量。候補:溶岩の揺りかご系の3点全体火力、もう1枚のX火力スイーパー、一斉噴火系。自軍トークンが多い場合はタイミング重視で。
- アーティファクト環境
- 単体と全体の破壊を厚く。候補:削剥、ヴァンダルブラスト、ラクドスの魔除け。
- 墓地利用環境
- 置物・使い切りの墓地対策を採用。候補:トーモッドの墓所、魂標ランタン、必要なら虚空の力線。
- 打ち消しが多い卓
- 対青対策を増やす。候補:紅蓮破、赤霊破。キルターンは偏向はたきを抱えられるようにリソース配分。
キーカード解説(5〜8枚)
- ジェスカの意志:このデッキの爆発ターンを作る最重要ソーサリー。マナ面と手札面を同時に解決。
- ボーラスの城塞:トップ連鎖と10点能力で締めるフィニッシャー。トレジャーと軽量呪文が多い本リストと最高の相性。
- 嵐窯の芸術家:連打がそのままトレジャーに変換されるため、実質的に「マナが減らない」状態を作りやすい。
- 語りの神、ビルギ:呪文連鎖の燃料。裏面で手札交換もでき、どちら面でも強い。
- どぶ潜み:インスタント/ソーサリーの数だけ全体ダメージ。中盤以降の放置は致命的。
- セッジムーアの魔女:呪文からトークンを生み、攻防とリソース(犠牲・装備の弾)を同時に供給。護法(3点ライフ)で対除去耐性もある。
- 偏向はたき:タダで撃てる保護札。コンボターンを守るうえで最重要の一枚。
- ウラブラスク:呪文のたびにダメージ+赤マナ。条件達成で裏面に変身すれば、一度のターンで試合を大きく傾けやすい。
失敗例と回避策
- 早すぎる全体火力で自軍の誘発源まで流してしまう
- 「誘発源1〜2枚+手札2〜3枚補充手段」があるときにだけ全体火力を切る。大虐殺の審美家、ジュディスがあるなら死亡誘発を打点に変換して損失を抑える。
- 衝動的ドローの「消化漏れ」
- 舞台照らしや無謀なる衝動は、そのターンか次のターンに消化する計画を立ててから撃つ。土地の枚数と色マナの配分を事前に確認する。
- リソースの過剰投入
- 「エンジンは二段重ねまで」。3つ目以降は全体除去1枚で全損になりやすい。1〜2枚を残して手札に温存。
- ボーラスの城塞の連鎖失敗
- ライフが薄い場合はトレジャーを先に増やしてから着地。不要牌を輪の大魔術師や呪われた鏡(コピーETB時の即戦力)で入れ替える選択を持つ。
ルール備忘
- ジェスカの意志:統率者が戦場にいるかでモードの強度が大きく変わる。解決時点でいればOK。
- 偏向はたき:対象を1つだけ持つ呪文/能力にしか使えない。複数対象や「対象を取らない」呪文には不可。
- ボーラスの城塞:ライフで支払うのはマナ・コストのみ。ライフが0以下になる支払いはできない。土地は唱えられないので、トップに土地が続くと止まる点に注意。
- セッジムーアの魔女:護法(3点ライフ支払い)は相手が支払えないと呪文/能力は打ち消される。ペストの死亡時ライフ回復は同時に複数体でもそれぞれ誘発。
- 呪われた鏡:戦場に出た瞬間に自軍のクリーチャーのコピーとして振る舞い、速攻を得る。コピー先の「出たとき」誘発もそのまま得られる。
- うろつく玉座:選んだクリーチャー・タイプの「他の」自軍クリーチャーの誘発をもう1回誘発させる。タイプ選択は戦場に出る時のみ。
置換・アップグレード案
- 一段上の最適化(ブラケット3→4を目指す)
- 一つの指輪:継続ドローと一時的な無敵でキルターンを通しやすくする。
- 悪魔の教示者:必要牌へ一直線。爆発ターンの安定性が段違いに上がる。
- 吸血の教示者:アップキープ調整でボーラスの城塞やジェスカの意志に最速アクセス。
- 魔力の櫃:初動を早める高速アーティファクト。手札消費が重い卓向け。
- 「追放から唱える」を強化するなら激情の後見。衝動的ドローの多さと嚙み合い、打点が自然に積み上がる。
- 予算寄りの強化・横替え
- 誘発源の枚数を増やす:若年の紅蓮術士、熱錬金術師。どちらも呪文連打と相性抜群。
- 追加の打点変換:ゴブリンの砲撃(トークンを打点に換金)。
- 除去の厚み:削剥、ヴァンダルブラスト、血の長の渇き。
- しなやかなリソース補充:血の署名、苦悶の触手系の軽量ドロー・除去をメタに合わせて調整。
- メタ対応スロット(差し替え目安)
- 自軍の重いカード1〜2枚(最も重複している4マナ以上の非必須枠)を、対策カードに随時入れ替える運用が扱いやすい。
最後に一言
黒赤の「呪文を打つたびに増える」誘発を最大限に活かした、実戦的なストーム寄りトークン・シェル。エンジンが1〜2枚立つだけでターンの価値が大きく跳ね上がるため、初動はマナ基盤と誘発源の確保、終盤はジェスカの意志やボーラスの城塞で一気に勝ち筋へ。対戦卓の速度に応じて全体除去と保護札の比率を調整すれば、安定して上位卓でも戦える構成だ。ゲームを畳むターンでは、偏向はたきを最後の一押しに。
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