注記:ゲームチェンジャーが16枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- トリトンの英雄、トラシオスは余剰マナをドローと土地展開に変換する「無限マナの出口」。このリストでは無限マナに接続した後の山札掘り切り役として最重要。
- 織り手のティムナは序盤からの小型クリーチャーで攻撃しながら手札を補充する主力エンジン。打ち消しを構えつつ手数を増やし、コンボに辿り着くまでの潤滑油となる。
相性の良いカード
- 献身のドルイド:無限マナの中核。後述コンボで実マナを無限化。
- 即時換装:エンチャント先を非クリーチャー化し、献身のドルイドのアンタップ能力を繰り返す設計で無限マナに接続しやすい。
- イーオスのレインジャー長:1マナ圏要員の供給と生け贄での対コンボ封じ。決めに行くターンの保護役。
- 堂々たる撤廃者:こちらのターンの相手の干渉を遮断。コンボ着地の安全装置。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:タッサの神託者+Demonic Consultation/汚れた契約で即勝利。コンパクトで取り回しが良く、打ち消しで護りやすい。
- セカンダリ勝ち筋:献身のドルイド系からの無限マナ → トリトンの英雄、トラシオスで山札を掘り切り → 最終的にタッサの神託者着地。状況によりアドバンテージ・プランにも移行可能。
- サポート・プラン:むかつきやネクロポーテンスで大量リソースを確保し、上記いずれかの勝ち筋に接続。
無限の条件(例)
- 献身のドルイド+即時換装(無限マナ)→ トリトンの英雄、トラシオス連打 → タッサの神託者
- 献身のドルイド+機械神の肖像(コピー先を自軍のドルイドに)=無限マナ(U/G両方を生めることが多い)
- タッサの神託者+Demonic Consultation/汚れた契約
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:金属モックス、モックス・ダイアモンド、オパールのモックス、太陽の指輪、魔力の櫃、高速土地(古えの墳墓、ガイアの揺籃の地)と1マナ域のマナクリ群
- ドロー:織り手のティムナ、リスティックの研究、神秘的負荷、ネクロポーテンス、むかつき、継続的な小型の打点による手札補充
- 除去・妨害:蒸気の連鎖、選別の儀式、汚物の雨、クリーチャー干渉のオークの弓使い
- 保護:否定の契約、意志の力、否定の力、マナ吸収、沈黙、堂々たる撤廃者、イーオスのレインジャー長
- 勝ち手段:タッサの神託者+Demonic Consultation/汚れた契約、あるいは献身のドルイドライン
- エンジン:トリトンの英雄、トラシオス(マナの受け皿)、リム=ドゥールの櫃(トップ整え)、フリースペル群でテンポ維持
- 参考情報:ブラケット:5(理由:ゲームチェンジャー級カードが16枚と非常に多く、最短決着と防御を両立できる構成)
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 1〜2ターン目はマナ基盤と継続ドローの設置が最優先。可能なら織り手のティムナを2ターン目に着地し、1〜2体の小粒で攻撃して手札を補充。
- リスティックの研究や神秘的負荷は早期に展開し、テーブルの速度を実測。青卓が多いなら花の絨毯が大きく寄与。
- 対抗戦の構えとして精神的つまづき、白鳥の歌、否定の契約のいずれかを残す。タップアウト気味に動くのは堂々たる撤廃者や沈黙があるとき。
中盤
- ハンドが伸びてきたら、最短の勝ち筋を選定。最も短いのはタッサの神託者+Demonic Consultationだが、卓のカウンター密度が高ければ堂々たる撤廃者やイーオスのレインジャー長で地ならし。
- 盤面が詰まったら選別の儀式で一掃し、アーティファクト・マナを伸ばして再加速。エンチャント/アーティファクトが厄介なら耐え抜くもの、母聖樹で触る選択肢もある。
- 無限マナが見えているなら、献身のドルイドと即時換装/機械神の肖像のどちらを先に通すかを検討。除去が多そうなら二段構えで行動。
終盤
- 対話が長引いた場合はトリトンの英雄、トラシオスを起動基盤にして継続的に優位を拡大。エンド前起動で情報差を作り、メインで沈黙→フィニッシュが基本線。
- 厄介な常在物には天上都市、大田原や蒸気の連鎖で都度回答。ライブラリーを守る必要があれば忍耐でケア。
代表的なターン例
- 先手:T1 土地 → 極楽鳥 → T2 土地+金属モックス(黒)→ 織り手のティムナ、攻撃で1ドロー → T3 土地を置きつつむかつき(保護に白鳥の歌待機)→ 必要札を揃えタッサの神託者+Demonic Consultation
- 後手:T1 土地+太陽の指輪+神秘的負荷 → T2 土地 → 召喚の調べ(X=2)で献身のドルイド → T3 即時換装で無限マナ → トリトンの英雄、トラシオス起動で掘り切り → タッサの神託者
マリガン指針
- キープ基準は「初動のマナ加速+継続ドロー(または高質チューター)+最低限の保護」の三点セット。例:土地+金属モックス/モックス・ダイアモンド+神秘的負荷/リスティックの研究。
- 早期の決め手が見えている手札(例:タッサの神託者+汚れた契約/Demonic Consultation+打ち消し)は積極的にキープ。
- 単なる土地とクリーチャーだけ、あるいは重い呪文ばかり(例:Eureka単体など)は原則マリガン。
相性とメタ調整
- 青系対話が多い卓には沈黙、堂々たる撤廃者、イーオスのレインジャー長を厚めに展開してからの決着が安定。
- クリーチャー密度が高い卓には選別の儀式が強力。アド損なく複数同時に処理できる。
- ドロー罠(相手のオークの弓使いなど)が多い場合は、むかつきや多枚ドローのタイミングを遅らせ、事前に除去やバウンスを用意。
- 墓地対策が厚い卓では、無限マナ→トリトンの英雄、トラシオスのルートを優先し、墓地依存度を下げる。
キーカード解説(5〜8枚)
- タッサの神託者:最短勝利手段。誘発に対してDemonic Consultation/汚れた契約を撃つ基本ライン。
- Demonic Consultation:1マナの高速フィニッシュ要素。コンボターンにのみ使用し、外れ名宣言で一気に掘る。
- 汚れた契約:単体でも強力な掘り札。ライブラリーの構成上、ほぼどの札にも到達しやすい。
- むかつき:ライフと引き換えに爆発的な手数を確保。平均CMCが低いため大量展開になりやすい。
- ネクロポーテンス:ターン跨ぎの継続ドロー・エンジン。置けたゲームは継戦能力が飛躍的に向上。
- 献身のドルイド:無限マナの要。即時換装や機械神の肖像と組み、トリトンの英雄、トラシオスの起動で勝ちに直結。
- 即時換装:エンチャント先を非クリーチャー化しても起動コストは支払えるため、アンタップ能力の反復が可能になりやすい。
- 機械神の肖像:自軍の献身のドルイドを写せば、非クリーチャーのコピーとしてアンタップを連鎖。U/Gの好きな色で無限化しやすい。
失敗例と回避策
- 早計なむかつきでライフを削り過ぎ、卓のクロック(対面の打点やオークの弓使い)で落ちる。保護札と着地後のプランを確保してから実行。
- 否定の契約を使い、次ターンに支払い不能でゲームを落とす。使用ターンに勝ち切るか、確実なマナ計算の上で採用。
- タッサの神託者誘発に対して相手の干渉(墓地利用やトップ操作)を見落とす。誘発の解決順と打ち消しの当て先を事前に決めてから展開。
- 無限マナルートで除去を一枚食らい停滞。堂々たる撤廃者や沈黙を噛ませ、二段構えを徹底。
ルール備忘
- タッサの神託者はETB誘発。誘発がスタックに乗っている間にDemonic Consultationや汚れた契約を解決してライブラリーを空にするのが基本。
- 即時換装で非クリーチャー化したパーマネントにもカウンターは置けるため、献身のドルイドのアンタップ能力は起動可能。結果として繰り返しが成立しやすい。
- 機械神の肖像はコピーに加えて「T:Uを加える」を持つため、コピー対象次第で複数のマナ能力を併有。アンタップ連鎖でU/Gを伸ばしやすい。
- ネクロポーテンスはドローを置換するため、通常のドロー・ステップは引けない。手札の補充タイミングと捨て札処理を誤らない。
- 蒸気の連鎖は自分も生け贄でコピーできる。マナと手札の残数、着地点を逆算して使う。
- 花の絨毯は自分のメインフェイズ開始時に誘発。対面が「島」をコントロールしている必要がある。
置換・アップグレード案
- 盤面耐性と継戦力の補強
- 追加候補:一つの指輪、サイクロンの裂け目、テフェリーの防御
- 調整枠:テンポを落としがちなEurekaなどは環境により入替え。
- 無限マナの多角化
- 追加候補:厳かなモノリス(+解呪枠で守る)、アーティファクト寄りの構成へ寄せる選択肢。
- ドロー封じとチューター妨害
- 追加候補:覆いを割く者、ナーセット、敵対工作員、青対面が多い卓で有効。
- ルーター/墓地連打ルートの採用
- 追加候補:死の国からの脱出+ライオンの瞳のダイアモンド(既存の高速チューター群との相性が高い)。採用時は呪文密度を微調整。
いずれも禁止カードを含まず、現行リストの勝ち筋を損なわずに強化可能。環境の対話密度と速度に合わせて数枚ずつ試すのが安全。
最後に一言
高速かつ柔軟。タッサの神託者の最短決着と、献身のドルイド系の粘り強い無限マナプランを両立し、織り手のティムナとトリトンの英雄、トラシオスが常に手札とマナを支えます。卓の速度を読み、保護を一枚添えて踏み切る——それがこのデッキで最も勝ちに近い選択です。
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