注記:ゲームチェンジャーが7枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- サムワイズ・ギャムジーは、他の非トークン・クリーチャーが出るたびに食物・トークンを生む常在エンジン。さらに「食物3個を生け贄に捧げる」ことで墓地の歴史的カード(アーティファクト/伝説/英雄譚)を手札に戻すため、低コスト伝説やアーティファクトの使い回しが効き続ける。
- 本リストは、ETBを増やす効果とトークン倍増で食物を雪だるま式に増やし、ジャヘイラや「菓子の復讐の夜」でマナに変換。大量マナからの歩行バリスタやトークン軍団で勝ち切るミッドレンジ寄りのシナジー・コンボ型。
- 白のガンダルフ:ETB誘発をもう一度誘発させ、サムの食物生成を加速。
- アカデミーの整備士:食物を作るたび、手掛かり/宝物も同時生成する爆発力の源。
- ペレグリン・トゥック:トークン生成を増量し、食物3個でのドローも担当。
- 森の友、ジャヘイラ:トークンをタップして緑マナ化、食物を実質マナ源へ変換。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:サムの常時食物生成+倍増(栄光のドミヌス、モンドラク)+増幅(白のガンダルフ、機械の母、エリシュ・ノーン)でトークンを量産。森の友、ジャヘイラや菓子の復讐の夜でマナ化し、巨大な歩行バリスタで一掃、またはワイドに攻め切る。
- セカンダリ勝ち筋:歴史的カードの再利用で粘り強くリソース差を拡大。ウルザの物語の構築物や市場背負いの歩行機械のトークン群を強化し、装備品(稲妻のすね当て)でフィニッシュ。食事を終わらせるもの、ジンジャー卿が巨大化してヘイトベア+打点の両立を担うことも多い。
(本構成は即死級の無限コンボを主眼にせず、継続的な増強とマナ化で押し切るゲームが中心。)
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:太陽の指輪、魔力の櫃、モックス・ダイアモンド、オパールのモックス、モックス・アンバー、セレズニアの印鑑、エンチャント加速(楽園の拡散、繁茂)、土地(古えの墳墓、Mishra’s Workshop、ガイアの揺籃の地 ほか)
- ドロー:エスパーの歩哨、頭蓋骨絞め、パンくずの道標、忘却の偶像、セヴィンの再利用、土地と墓地を繋ぐ壌土からの生命
- 除去・妨害:機能不全ダニ、歴史学の信奉者、ロラン、エイヴンの阻む者、ファイレクシアの破棄者
- 保護:塔の長官、ボロミア、稲妻のすね当て、ETB二重化でテンポ損を抑える白のガンダルフ
- 勝ち手段:歩行バリスタ、ワイド展開+全体強化(菓子の復讐の夜)、巨大化した食事を終わらせるもの、ジンジャー卿
- エンジン:サムワイズ・ギャムジー本体、アカデミーの整備士、ペレグリン・トゥック、森の友、ジャヘイラ、倍増(栄光のドミヌス、モンドラク)、チューター(悟りの教示者)、再利用(セヴィンの再利用)
- 参考情報:ブラケット:4
- 理由:Mishra’s Workshop、ガイアの揺籃の地、モックス・ダイアモンド、ライオンの瞳のダイアモンド、古えの墳墓、悟りの教示者、魔力の櫃と、ゲームチェンジャー計7枚を採用。高速展開と選択肢が整い、最適化寄りの速度と密度。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 初動の最優先はマナ基盤の確保。0〜2マナのマナファクトやエンチャント加速から入り、3ターン目前後でサムワイズ・ギャムジー着地を目指す。
- 1マナ域(ジンジャーブルート、機能不全ダニなど)を小刻みに唱え、サムのETBで食物の在庫を増やす。エスパーの歩哨は相手のテンポを抑えるためにも早出しが有効。
- 対面が重めなら、ウルザの物語を早出しして第III章で太陽の指輪や頭蓋骨絞め、霊気の薬瓶、ライオンの瞳のダイアモンド等を確保。
中盤
- 食物の価値を倍増・換金する段階。優先度は「倍増(栄光のドミヌス、モンドラク) or 誘発増幅(白のガンダルフ/機械の母、エリシュ・ノーン) → マナ化(森の友、ジャヘイラ/菓子の復讐の夜)」の順。
- アカデミーの整備士やペレグリン・トゥックがそろうと、1体の軽量クリーチャー着地が食物+手掛かり+宝物の塊に化ける。宝物は色マナの調整にも便利。
- 妨害枠(エイヴンの阻む者、ファイレクシアの破棄者)は状況を見て投下。守りは塔の長官、ボロミアや稲妻のすね当てで固める。
終盤
- 充分な食物とトークンが溜まったら、森の友、ジャヘイラや菓子の復讐の夜で一気にマナ化し、Xの大きい歩行バリスタで締める。装備で速攻を付けると安全。
- ゴーイングワイドで勝てそうな盤面なら、構築物や航空戦力(市場背負いの歩行機械の飛行トークン)を展開し、全体強化で畳み掛ける。
- grind戦では、サムの2つ目の能力で歴史的カード(アーティファクト/伝説/英雄譚)を何度も回収し続け、相手の除去に屈しない持久戦を作る。
代表的なターン例
- 先手:T2 太陽の指輪 → サムワイズ・ギャムジー → T3 アカデミーの整備士+1マナ生物 → T4 ペレグリン・トゥック+軽量伝説でトークン爆発
- 後手:T2 ウルザの物語(第I章)→ エスパーの歩哨 → T3 白のガンダルフ → T4 第III章で頭蓋骨絞めをサーチしつつクリーチャー連打、食物をドローとマナに転換
マリガン指針
- キープ基準
- 2枚以上の土地+初動の加速(0〜2マナのマナファクト or エンチャント加速)
- 早期のリソース源(エスパーの歩哨、頭蓋骨絞め、パンくずの道標のいずれか)
- いずれかのエンジン(アカデミーの整備士/ペレグリン・トゥック/森の友、ジャヘイラ)
- 迷ったら戻すパターン
- 有色マナに乏しい手札(無色土地+無色アーティファクトの偏り)
- 5マナ以上が複数で、ドローも加速も薄い手札
- 対話札がゼロで、明らかにコンボ卓のとき
相性とメタ調整
- 得意
- クリーチャー主体の卓:小型の展開で序盤から盤面を固め、食物を増やすほど防御と持久力が上がる。
- 1対1の打ち合い:白のガンダルフや塔の長官、ボロミアで守りながら、徐々に差を広げられる。
- 苦手
- アーティファクト/能力停止系(例:常在でアーティファクトを止める効果)は、マナとドローの双方を圧迫。対策として歴史学の信奉者、ロランや機能不全ダニ、悟りの教示者からの適切な解答を意識。
- 墓地対策はサムの回収能力とセヴィンの再利用に影響が大きい。事前に妨害を誘発させてから展開するか、回収先をアーティファクト主体に切り替え被害を抑える。
キーカード解説(5〜8枚)
- アカデミーの整備士:食物→手掛かり/宝物も同時生成。トークン加速のハブで、1手の価値を2〜3倍にする。
- ペレグリン・トゥック:あらゆるトークン生成に食物を上乗せし、余剰の食物をドローへ変換。サムと並ぶ中核。
- 森の友、ジャヘイラ:トークンをタップして緑マナ化。召喚酔いの影響を受けにくい点が強力で、増えた食物を即座にマナに変える。
- 白のガンダルフ:ETB誘発の二重化。サムの食物生成や、その他のETB持ち(例:歴史学の信奉者、ロラン)まで底上げ。
- 栄光のドミヌス、モンドラク:トークン倍増の最上位格。防御的にも攻撃的にも、出たターンからゲームの重力を傾ける。
- 祖神の使徒、テシャール:歴史的呪文の連打で軽量クリーチャーを再展開。ETB連打から食物・手掛かりが雪だるま式に増えやすい。
- ウルザの物語:構築物で打点とブロッカーを用意し、第III章で太陽の指輪や頭蓋骨絞め、霊気の薬瓶、ライオンの瞳のダイアモンドなど重要パーツを指名サーチ。
- 歩行バリスタ:フィニッシャー。食物→マナ(森の友、ジャヘイラ/菓子の復讐の夜)から一気にX値を伸ばし、全体掃射または本体射撃で決める。
失敗例と回避策
- 無色マナに寄り過ぎる:Mishra’s Workshopや古えの墳墓は強力だが、白緑シンボルが不足しやすい。初動で白緑を1色ずつ確保し、無色は2〜3枚目以降に。
- 食物を抱え込むだけ:用途(回収・ドロー・マナ化・全体強化)を決めずに貯めると手数が止まる。盤面に応じ、毎ターン1回は「食物の明確な使い道」を作る。
- 過剰展開からの全体除去被弾:倍増系(栄光のドミヌス、モンドラク)やエンジンを並べ過ぎない。守りの札(塔の長官、ボロミア、装備)を先置きし、2段攻勢を維持。
- チューターの行き先が散る:基本線は「エンジン(整備士 or トゥック)→マナ化(ジャヘイラ or 夜)→勝ち札(バリスタ)」の3段構え。順序を守るとミスが減る。
ルール備忘
- サムワイズ・ギャムジーは「他の非トークン・クリーチャー」のETBでのみ誘発。トークンのETBや自身の着地では誘発しない。
- 「歴史的カード」の回収対象はアーティファクト/伝説/英雄譚。インスタントやソーサリーは対象外(ただし伝説なら可)。
- 白のガンダルフは「クリーチャーやアーティファクトが戦場に出ることで誘発する能力」をもう一度誘発させる。サムの誘発はこれに該当する。
- 森の友、ジャヘイラでトークンに与える「タップでG」は、トークンがクリーチャーでなければ召喚酔いの影響を受けない(そのターンに出た食物でもタップ可能)。
- ウルザの物語の第III章で探せるのはマナ総量0〜1のアーティファクトのみ。例えば太陽の指輪、頭蓋骨絞め、霊気の薬瓶、ライオンの瞳のダイアモンドなど。
- Mishra’s Workshopのマナはアーティファクトの呪文にのみ支払える。能力の起動などには使えない。
置換・アップグレード案
- 守りと粘りの強化
- 追加保護:テフェリーの防御。倍増やエンジンを抱えた盤面を守り切る一枚。
- 対面破壊力:オーラの破片。トークンを並べるだけで相手のアーティファクト/エンチャントに圧をかけられる。
- マナと爆発力の底上げ
- 追加の高速化:厳かなモノリス。食物のマナ化と併せて大型アクションへ早着。
- 永続ドロー:一つの指輪。ターン経過とともにカードが溢れ、長期戦で無類の強さ。
- ランド・チューター:輪作。ガイアの揺籃の地、ウルザの物語、状況により成長の揺り篭、ヤヴィマヤへアクセス。
- ロックと速度の両立
- 追加拘束:ドラニスの判事。対戦相手の行動を圧縮し、こちらの展開を通しやすくする。
- リソース加速:息詰まる徴税。宝物で有色マナ不足を恒常的に解消。
- 予算寄りの置換
- 高額土地の代替:ガイアの揺籃の地 → ニクスの祭殿、ニクソス、Mishra’s Workshop → ダークスティールの城塞や埋没した廃墟(再利用ルート強化)。
- 二重シンボルの緩和:Savannah → 二色土地(例:ショックランドや判明チェックランド)で十分機能。
いずれも既存の軸(食物→倍増→マナ化→フィニッシュ)を崩さず、上ぶれ・下振れの双方を補正する提案に留めている。
最後に一言
食物を単なる回復ではなく「マナ・ドロー・再利用」の通貨として扱うのが本デッキの肝。軽量伝説とアーティファクトを刻み、サムで回収し、整備士/トゥック/ジャヘイラで増幅・換金して、最後に歩行バリスタやトークン軍団で締める——この一直線の設計が、最適化(ブラケット4)の速度と安定感を支えている。卓に合わせて妨害と保護の枚数を微調整し、食物経済を回し切ろう。
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