注記:ゲームチェンジャーが23枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- 織り手のティムナは戦闘ダメージで継続的に手札を補充し、ライフで手札を換金する役割。低マナの回避力持ちやトークンで複数プレイヤーに通しやすく、序盤の手札不足を素早く解消する。
- ルーデヴィックの名作、クラムは飛行・速攻・4/4のクロック兼ドロー源。各ターンに対戦相手が2枚目の呪文を唱えるたび誘発し、対話しながら自然と手札が増える。クロックでの圧力も十分。
相性の良いカード
- 忠実な弟子:毎ターン速攻トークンを供給し、ティムナのドローを安定化。
- 世慣れた見張り、デルニー:小粒の攻撃誘発や宝物誘発を倍加してテンポを上げる。
- 顔壊しのプロ:ダメージから宝物を量産し、爆発的なマナに変換。
- 堂々たる撤廃者:自軍ターンの妨害を遮断し、コンボ着地の成功率を上げる。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:タッサの神託者+Demonic Consultationまたは汚れた契約でライブラリーを空にして即勝利。タイミングは自軍ターンの本体フェイズ、あるいは沈黙やオアリムの詠唱で窓を作ってから。
- セカンダリ勝ち筋:死の国からの脱出を軸に、墓地を資源化して実質的な連打を成立。ライオンの瞳のダイアモンドや各種儀式(暗黒・陰謀団・炎)でマナを伸ばし、ギャンブルや各種教示者から神託者ライン、あるいはジェスカの意志の追い風で押し切る。リソース差がついたらむかつきで大きく掘り、そのまま勝ちへ。
このデッキは「一撃で勝つ」手段を複数保持しつつ、ティムナ/クラムによる手札優位とクロックで中盤以降のゲームも作れる、4色ミッドレンジ寄りのターボ・コンサルテーションである。
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:各種マナファクト(太陽の指輪、金属モックス、モックス・ダイアモンド、オパールのモックス、魔力の櫃、宝物)、瞬間マナ(暗黒の儀式、陰謀団の儀式、炎の儀式、弱者選別、汚物の雨)、高速土地(古えの墳墓、宝石の洞窟、裏切り者の都)。
- ドロー:統率者2体、リスティックの研究、打ち消し合戦での相互誘発、宝物からの多面展開。
- 除去:致命的なはしゃぎ回り、剣を鍬に、蒸気の連鎖、クロックによる圧。
- 保護:意志の力、否定の契約、激しい叱責、精神壊しの罠、白鳥の歌、狼狽の嵐、偏向はたき、加えて沈黙・オアリムの詠唱の時間稼ぎ。
- 勝ち手段:神託者+コンサル/契約、死の国からの脱出連打からの移行、最後の賭けを含む短期決戦。
- エンジン:ティムナ/クラム、息詰まる徴税、宝物生成群(顔壊しのプロ、忠実な弟子との連動)、教示者パッケージ(悟りの教示者、神秘の教示者、吸血の教示者、悪魔の教示者、伝国の玉璽、直観、法務官の掌握)。
- 参考情報:ブラケット:4(ゲームチェンジャー相当カードが23枚採用されており、爆発力と対話力が高水準。構築・運用の最適化が前提のオプティマイズ帯)。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 1〜2ターン目はマナ基盤と継続エンジンの確立。エスパーの歩哨、敏捷なこそ泥、ラガバン、忠実な弟子から入り、可能なら織り手のティムナへ。ティムナのドローを通すため、回避性の高い攻撃ラインを優先する。
- 対話は最小限に留め、コンボパーツや教示者を手札に集める。早期の願い爪のタリスマン設置は強力だが、起動ターンは沈黙や堂々たる撤廃者での保護が望ましい。
- 土地選択は色優先。将来のタッサの神託者を意識し、余裕があれば魂の洞窟で「ウィザード」を指定して着地を通す準備を整える。
中盤
- 2人目の統率者としてルーデヴィックの名作、クラムを展開し、対戦相手の呪文連打に合わせて手札差を広げる。クロックを刻みつつ、相手のシールドを剥がしていく。
- ジェスカの意志や宝物群で一気にマナを伸ばし、教示者連打から勝ち筋確保。世慣れた見張り、デルニーや顔壊しのプロがいると宝物→呪文連打→クラム誘発で雪だるま式に優位が広がる。
- 墓地が肥えてきたら死の国からの脱出で再加速。相手のカウンターが厚い卓では、風に運ばれてやオアリムの詠唱で“このターン”の安全地帯を作ってから踏み込む。
終盤
- 手札・盤面・墓地のいずれかで優位が取れたら、沈黙系+カウンター構えで神託者ラインへ。偏向はたきは1枚で2枚目以降の打ち消しにもなりやすい。
- むかつきは相手エンド前に撃つのが基本。自ターンまで生存できる見込みと、ライフの残量・マナの見込みを必ず評価してから。引いたDemonic Consultation/汚れた契約+タッサの神託者でそのまま決める。
- どうしても窓が狭い場合、最後の賭けで1ターン猶予を作り、通る確率を底上げするプランもある(バックアップの対話を十分に)。
代表的なターン例
- 先手:T2 忠実な弟子 → T3 織り手のティムナ(トークンで攻撃し1〜2ドロー) → T4 沈黙 → 願い爪のタリスマン起動で汚れた契約確保 → タッサの神託者着地で勝ち
- 後手:T2 リスティックの研究 → T3 ルーデヴィックの名作、クラム(誘発で手札増) → T4 風に運ばれて(このターン呪文が打ち消されにくい)→ 死の国からの脱出+ライオンの瞳のダイアモンド+ギャンブルで必要札を拾い直し → そのままDemonic Consultation+タッサの神託者で締め
マリガン指針
- 採用優先
- 2枚以上の土地、または1土地+高速マナ(マナファクトや儀式)。
- 初動エンジン(エスパーの歩哨、忠実な弟子、敏捷なこそ泥、ラガバン、リスティックの研究)。
- 教示者+保護の組み合わせ(例:悟りの教示者+白鳥の歌)。
- 返す基準
- 色が欠ける/タップイン過多でテンポが落ちる手札。
- 5マナ以上の咎めがない卓で、対話過多・フィニッシュ不在の組み合わせ。
- むかつきのみ等、単体で機能しづらい重いカードだけが目立つ手札。
相性とメタ調整
- 高速ターボ卓:こちらも最速を目指しつつ、軽量カウンター(精神的つまづき、狼狽の嵐、白鳥の歌)を温存。堂々たる撤廃者や沈黙が通る卓なら積極的に突き刺す。
- スタックス卓:単体除去(致命的なはしゃぎ回り、剣を鍬に)とサイクロンの裂け目を要所に充て、宝物と儀式でテンポ勝ちを狙う。法務官の掌握でキーカードを奪う動きも強い。
- 墓地対策が厚い卓:死の国からの脱出依存を下げ、神託者ラインを主軸に。墓地対策を確認してからセヴィンの再利用でアーティファクト(例:願い爪のタリスマン)を返すプランが安定。
- 青の打ち消しが多い卓:魂の洞窟でウィザード指定、風に運ばれて、偏向はたきを手厚く運用。ターン開始時にオアリムの詠唱を撃ってから勝ちに向かう。
キーカード解説(5〜8枚)
- タッサの神託者:即時勝利の中核。少ないマナで安全に決めるため、事前に保護を用意。
- 汚れた契約:単体でもデッキ圧縮・回答探しに使える決定打。解決順序とスタック管理が重要。
- Demonic Consultation:最短2マナでゲームを終わらせる爆発力。唱える前に妨害有無を確認。
- 死の国からの脱出:墓地=手札化。儀式や0〜1マナ呪文と組み合わせると一気に伸びる。
- ジェスカの意志:大マナ+追放からのキャストで手数を大幅増。コンボ接続の最短路になりやすい。
- むかつき:終盤のブレークスルー。ライフ・デッキ構成・相手のクロックを常に計算して撃つ。
- 願い爪のタリスマン:設置の早さと即時性が強み。起動ターンは沈黙などで保護し、返すリスクを軽減。
- オークの弓使い:全卓のドローを抑止しつつ盤面とライフを詰める。ティムナの追加ドローは自発的なので、自分のライフ管理に注意。
失敗例と回避策
- 早すぎる教示者公開:相手の構えを促すだけ。着地ターン直前に悟りの教示者や神秘の教示者を使い、情報露出を最小に。
- 願い爪のタリスマンの無防備な起動:返却先にコンボを拾われやすい。必ず沈黙系や打ち消しを併用。
- 否定の契約の無計画な使用:アップキープで負けかねない。勝ちに直結する場面以外は温存。
- 断れない提案の乱用:相手に宝物を与えるデメリットが大きい卓も。打ち消し・除去の読み合いで本当に必要な場面だけ。
- 蒸気の連鎖の的外れな使用:相手の生け贄でこちらのパーマネントが戻されることも想定。自軍を戻して再展開で得をするラインを常に意識。
- むかつきの過剰ドロー:神託者を引く前提で掘りすぎるとライフが足りなくなる。マナ浮きと保護枚数を数えてからストップ。
ルール備忘
- 織り手のティムナは戦闘後メインで誘発し、ダメージを与えた「プレイヤーの数」だけ支払い可。まとめて支払う。
- ルーデヴィックの名作、クラムは各対戦相手の「そのターン2枚目の呪文」で誘発。相手ターンにも誘発する。
- 魂の洞窟は指定タイプの「クリーチャー呪文」を打ち消されなくする。アーティファクト等の支払いには使えるが、打ち消し不能はクリーチャーのみ。神託者を通すのに有効(ウィザード指定)。
- オアリムの詠唱は対象を取る。対象が不適正になると不発。キッカーで攻撃も止められる。
- 沈黙は対象を取らない。解決すればそのターン相手は呪文不可(既に戦場の能力やマナ能力は使える)。
- 精神壊しの罠はこのターンに対戦相手が呪文を3つ以上唱えていれば0マナで唱えられる。
- 激しい叱責は自軍統率者がいれば0マナ化。スタック上での順序に注意。
- 偏向はたきは単一の対象を持つ呪文のみ対象変更可能。対象を持たない呪文には無力。
- 汚れた契約は同名カードがあると止まりやすい。単一名構成であることを再確認してから使用。
- セヴィンの再利用はフラッシュバックで土地を1つ生け贄に捧げる。0〜1マナのパーマネント(例:ライオンの瞳のダイアモンド、願い爪のタリスマン)の再利用に便利。
置換・アップグレード案
- メタ強化(同系・青厚めの卓)
- 追加妨害:赤霊破の相方として「紅蓮破」を検討。
- スタックス耐性:ドラニスの判事、敵対工作員、覆いを割く者、ナーセットは卓に応じて強力。自軍の動きも阻害し得るため採用数は要調整。
- 継戦力:長期線が多い卓なら「一つの指輪」を検討。タップイン管理とライフ管理に留意。
- 除去増量(常在型対策が多い環境)
- 低マナの万能除去として「摩耗+損耗」「削剥」を追加し、メインの単体除去を厚く。
- 予算対応
- デュアルの一部(Underground Sea、Volcanic Island、Tundra、Scrubland、Plateau)はショックランド(「湿った墓」「蒸気孔」「神聖なる泉」「神無き祭殿」「聖なる鋳造所」)へ。
- 高額インスタント/エンチャントの代替として、「呪文貫き」「否認」「除外」「神秘の論争」など軽量対話で密度を確保。
- 金属モックス不採用なら、色安定を補うタリスマン・サイクル(青黒・青赤・白青・白黒・赤白)や、基本土地枚数の微増でバランスを取る。
いずれの入替でも、神託者ライン(神託者+Demonic Consultation/汚れた契約)と、それを守る軽量カウンター/沈黙群の枚数は落としすぎないこと。勝ち筋の密度と保護の比率がこのリストの根幹である。
最後に一言
4色のカードパワーで主導権を握り、最短ターンでの「神託者ライン」と、中盤以降の粘り強い押し込みを両立した実戦的な一角。各卓の速度と妨害密度を見極め、構えるべきターンと踏み込むターンを明確に分けるだけで、勝率は大きく伸びる。タイミングと情報管理を武器に、最短距離でゲームを締めよう。
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