注記:ゲームチェンジャーが24枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- 織り手のティムナは小型クリーチャーで複数回攻撃して手札を補充し、テンポよくゲームを進めるエンジン。ライフゲインも「むかつき」や「古えの墳墓」のライフ支払いを相殺しやすい。
- ルーデヴィックの名作、クラムは速攻・飛行でクロックを刻みつつ、対戦相手の連続キャストで手札を増やす継続的ドロー源。4/4の打点はプレインズウォーカーへの圧力にも優れる。
- 相性の良いカード
- エスパーの歩哨:序盤から継続的ドローを狙える税効果。ティムナの攻撃と合わせて手札が途切れにくい。
- 敏捷なこそ泥、ラガバン:宝物でマナ加速しつつ打点と手札差を同時に稼げる。
- 堂々たる撤廃者:自分のターンの呪文を安全に通すための盾。フィニッシュ前に設置。
- イーオスのレインジャー長:サーチ+生け贄で「沈黙」相当のロックを作り、コンボターンを確保。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:タッサの神託者+Demonic Consultation/汚れた契約でライブラリーを空にして即勝利。軽く、少ない枠で完結し、豊富な打ち消しで守りやすい。
- セカンダリ勝ち筋:死の国からの脱出を軸に、0マナアーティファクトと研磨基地で墓地を自己燃料化しながらループ。十分な墓地が溜まったらマナを確保(例:ライオンの瞳のダイアモンド、儀式)して神託者ルートに接続。
- サポート勝ち筋:むかつきで一気に掘り進み、適切な保護(打ち消し+沈黙系)を揃えてメインのどちらかのコンボへ。
- 無限やループの条件
- 盤面に死の国からの脱出+研磨基地。墓地に0マナアーティファクト(例:水蓮の花びら、金属モックス、モックス・アンバー、モックス・ダイアモンド、オパールのモックス、ライオンの瞳のダイアモンド)があり、護りが確保できる状況。
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:0〜2マナのマナファクト群(太陽の指輪、秘儀の印鑑、友なる石、各種モックス)+宝物(敏捷なこそ泥、ラガバン)+土地(古えの墳墓、宝石の洞窟)でT2〜T3の主導権を握る。
- ドロー:統率者2体+リスティックの研究、一つの指輪、風に運ばれて、Wheel of Fortune、軽量の一時ドローで手札を循環。
- 除去・妨害:剣を鍬に、毒の濁流、紅蓮破、赤霊破、カウンター群(意志の力、否定の力、狼狽の嵐、白鳥の歌、精神的つまづき、精神壊しの罠、神秘的負荷)と偏向はたき。
- 保護:沈黙、オアリムの詠唱、堂々たる撤廃者、イーオスのレインジャー長でコンボターンを確保。
- 勝ち手段:神託者コンボ/脱出ループ/大規模ドローからの押し込み(まれに打点押し)。
- エンジン:けちな贈り物、直観、各種教示者(悟りの教示者、神秘の教示者、悪魔の教示者、吸血の教示者、伝国の玉璽、ギャンブル)が最短距離で勝ち筋へ接続。
- 参考情報:ブラケット:4(オプティマイズ)。理由:ゲームチェンジャーが合計24枚と多く、初動の速度・防御密度が極めて高い構成で、一般的なミドルレンジを上回る決定力があるため。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 1〜2ターン目にエスパーの歩哨や敏捷なこそ泥、ラガバンを着地。手札が強ければ織り手のティムナを先に出し、2面展開でドローを伸ばす。
- 手札に打消しがあるなら、相手の高効率加速や早期コンボだけを狙って当て、不要な打ち合いは避ける。自分のドローエンジンが伸びるまで待つ姿勢が重要。
中盤
- ルーデヴィックの名作、クラムでクロックと継続ドローを確保。以降は「ドロー1+保護1+勝ち札1」を最短で揃える。
- ルートA:教示者からタッサの神託者+Demonic Consultation(または汚れた契約)。
ルートB:直観/けちな贈り物で死の国からの脱出パッケージ(例:脱出+研磨基地+セヴィンの再利用やライオンの瞳のダイアモンド)へ。
- コンボ前には沈黙系か堂々たる撤廃者を用意。卓のマナが伸びるほど横槍が増えるため、短期決戦を意識。
終盤
- リソースは勝っているが決め手が無い場合、一つの指輪やリスティックの研究を最大活用して再展開。
- サイクロンの裂け目の過載で全体を流し、空いた窓でフィニッシュへ接続。どうしても抜けられない盤面なら、最後の賭けで追加ターンを作り、守り札を重ねてから勝ちに行く。
代表的なターン例
- 先手:T2 織り手のティムナ → T3 ルーデヴィックの名作、クラム → T4 むかつき
- 後手:T2 エスパーの歩哨 → T3 堂々たる撤廃者 → T4 タッサの神託者
マリガン指針
- 土地2+0〜1マナのマナファクト1枚以上を基準に、ドローエンジン(ティムナ/エスパーの歩哨/リスティックの研究/一つの指輪)のいずれかが欲しい。
- いずれかの勝ち筋に触れる教示者(悟りの教示者/神秘の教示者/悪魔の教示者/吸血の教示者/伝国の玉璽)があるならキープ寄り。
- 打消しゼロで重い手札は避ける。逆に妨害過多でドローが無い手札も弱い。攻守のバランスを最優先。
相性とメタ調整
- 速い卓(ターボコンボ多め):無料打消し(意志の力、否定の力、精神壊しの罠)の比重を高め、沈黙のタイミングを最重視。
- 盤面型(クリーチャー多め):毒の濁流、追加の点除去、オークの弓使いの比重を上げる。風に運ばれてやWheel of Fortuneで弾を補充。
- 増税・スタックス環境:サイクロンの裂け目や単体バウンスを厚く。土地破壊や置物破壊が多いなら、セヴィンの再利用の価値が上がる。
キーカード解説(5〜8枚)
- 死の国からの脱出:このデッキ最大のリカバリー兼フィニッシャー。0マナアーティファクトと組み、墓地を資源に変換して神託者へ接続。
- 研磨基地:脱出と並ぶループ要素。0マナアーティファクトを生け贄に捧げて3枚切削し、脱出の支払いを自己完結させる。
- ライオンの瞳のダイアモンド:脱出ターンのマナ確保役。手札は捨てるが、脱出があるため実害が小さく、決定力が大幅に上がる。
- タッサの神託者:最短の勝ち札。Demonic Consultationや汚れた契約と1ターンで完結し、魂の洞窟でウィザード指定すれば対打消し性能も高い。
- Demonic Consultation:神託者の誘発に合わせて「存在しないカード名」を宣言し、即座にライブラリーを空にする最短ルート。
- むかつき:ライフと引き換えに爆発的な補充。低カーブ構成のため期待値が高く、守り札+勝ち札の同時確保が現実的。
- けちな贈り物/直観:3枚ピックからの勝ち筋組み立て。例:脱出+セヴィンの再利用+ライオンの瞳のダイアモンドなど、どれが来ても成立に近づく組合せを選ぶ。
- 堂々たる撤廃者/イーオスのレインジャー長:コンボターンの安全装置。事前設置→本体決行の基本形。
失敗例と回避策
- 早すぎる全乗り(ノーガード突撃):守り札が無いのにむかつきや脱出を決行し、卓全体の打消しに呑まれる。→少なくとも1枚の無料打消しか沈黙系を確保してから動く。
- Demonic Consultationの誤宣言:存在するカード名をコールして肝心のタッサの神託者を追放してしまう。→神託者を先に着地させ、誘発に対応して「デッキに無い名前」を宣言。
- 墓地密度の過信:脱出ループ開始時に墓地が薄く、1回転でガス欠。→事前に風に運ばれてやWheel of Fortune、打ち消し合戦の墓地肥やしを利用してボリュームを確保。
- 否定の契約の後始末忘れ:次のアップキープの支払いを見落とし自滅。→決行ターンで勝ち切るか、支払い可能なマナを明確に確保。
ルール備忘
- タッサの神託者はETB誘発。解決時に自ライブラリーが条件を満たしていれば勝利。一般的には神託者を先に唱え、誘発に対応してDemonic Consultation/汚れた契約を唱える。
- 魂の洞窟は「ウィザード」を選ぶと神託者が打ち消されにくい。能力は打ち消し不能にしない点に注意。
- 偏向はたきは統率者がいれば0マナ。対象変更できる呪文(教示者や除去)にのみ有効。
- オアリムの詠唱や沈黙は自分のターン開始時に使用すると安全度が高い。対戦相手はそのターン、インスタントで割り込めない。
- 一つの指輪の保護は「あなた」に適用。あなたはダメージ・対象・エンチャント・装備の対象にならないが、あなたのパーマネントは守られない。
置換・アップグレード案
- 追加のテンポ確保
- 低予算:友なる石やタリスマン枠の枚数調整で色安定を強化。デュアルの代替にショックランドを増量。
- 高性能:卓に合わせて覆いを割く者、ナーセットを検討(ホイール対策)。自分の風に運ばれて/Wheel of Fortune運用は慎重に。
- コンボ密度の強化
- サブプラン拡張にセヴィンの再利用を厚めに評価(既に採用済み)。除去が濃い卓ほど価値が上がる。
- 置物対策が必要なメタでは、追加の単体バウンス(例:軽量呪文の枠調整)やサイクロンの裂け目過載の優先度を上げる。
- 生存性の底上げ
- 盤面が荒れやすい卓ではテフェリーの防御の採用を検討。決行ターンの保険として強力。
最後に一言
青赤黒白のテンポと爆発力を両立した本リストは、序盤の手数で優位を築き、最短距離の神託者ルートか脱出ループで締めるのが基本線。守り札を1枚握ったうえで、最も安全な窓を逃さず差し込む——これを徹底できれば、どの卓でも安定して勝ち筋に到達できる。
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