注記:ゲームチェンジャーが12枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- ロフガフフの息子、ログラクフは0マナで着地する伝説のクリーチャー。序盤から場に出しやすく、伝説関連のシナジー(後述)でマナ源化し、赤を含む色要件も満たしてくれる。攻撃面は控えめだが、装備や一時強化があれば打点にも貢献可能。
- トリトンの英雄、トラシオスは余剰マナをカードと土地に変換する最強クラスのマナ吐き出し口。とくに無限マナやビッグマナを得たとき、デッキを掘り下げながら盤面と手札を同時に増やせる。能力コストを下げるカードやマナを倍化するカードが並ぶと、一気に勝ち筋へ到達しやすい。
相性の良いカード
- 伝説の秘宝:伝説のクリーチャーをタップして色マナ化、0マナのログラクフが即マナ源になる。
- モックス・アンバー:伝説シナジーで0マナから安定して色マナ、ストームやループの起点にも。
- 訓練施設:トラシオスや一部クリーチャーの起動型能力コストを圧縮、マナ効率が段違いに。
- 眷者の神童、キナン:非土地パーマネントからのマナを+1、マナファクトの性能が跳ね上がる。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:無限(または超過)マナからのトラシオス連打でデッキを掘り切り、場の制圧とフィニッシャー着地(キキジキ系や大型呪文の連鎖)へ。
- セカンダリ勝ち筋:クリーチャーの踏み倒し(実物提示や騙し討ち、自然の秩序、起源の嵐、エント最後の進軍など)で巨大戦力を早出しして押し切るプラン。
無限やループの条件
- 鏡割りのキキジキ+士気溢れる徴集兵
- 船砕きの怪物+モックス・アンバー+太陽の指輪+眷者の神童、キナン
- パリンクロン+ニクス咲きの古きもの(+7枚以上の土地で合計10マナ以上を産む)
デッキの骨子
- マナ加速:エルフ群(東屋のエルフ/エルフの神秘家/フィンドホーンのエルフ/ラノワールのエルフ/花を手入れする者など)+マナファクト(金属モックス/モックス・ダイアモンド/モックス・アンバー/魔力の櫃/太陽の指輪/伝説の秘宝/バネ葉の太鼓)+土地(古えの墳墓/ガイアの揺籃の地/輪作や発見の誘惑による到達)。
- ドロー:ジェスカの意志、トラシオスの能力、轟く声、ティシャーナ、ストーム呪文群(精神の願望/起源の嵐/創造の技/Call Forth the Tempest)で一気に手数を増やす。
- 除去・妨害:単体除去は薄め。代わりに盤面制圧級のバウンス/封殺(船砕きの怪物/潮吹きの暴君)、チャネル土地(天上都市、大田原/耐え抜くもの、母聖樹)で要所を捌く。
- 保護:展開速度と脅威密度で受け流す設計。巻き戻し防止は薄いので、マリガンとプレイ順で補う。
- 勝ち手段:無限マナ→トラシオス、鏡割りのキキジキ+士気溢れる徴集兵、踏み倒しからの一撃(原初の征服者、エターリ/大渦の放浪者/頂点壊滅獣/暴走暴君、ガルタなど)。
- エンジン:眷者の神童、キナン、伝説の秘宝、トラシオス、ガイアの揺籃の地、エント最後の進軍の一斉展開。
参考情報:ブラケット:4(ゲームチェンジャー級のカードが12枚と多く、高速マナ+強力チューターで最適化寄り。反面、対話用の打ち消しが薄くcEDH域には未到達。)
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 0マナのロフガフフの息子、ログラクフを即着地し、モックス・アンバーや伝説の秘宝の起動条件に。1マナ域のマナ・クリーチャーを優先し、2~3ターン目の多面展開を狙う。
- 眷者の神童、キナンが早期に出るとマナファクトの出力が倍増。キナン→トラシオスの順で並べるとリカバリーも効く。
- 実物提示教育やEurekaは相手も恩恵を受けるため、手札に大型脅威が複数ある、もしくは船砕きの怪物等で即優位を取れるタイミングまで温存が安全。
中盤
- トリトンの英雄、トラシオスを場に出し、余剰マナをドローと土地に変換。訓練施設があれば能力連打が現実的になる。
- 騙し討ちで原初の征服者、エターリや潮吹きの暴君、大渦の放浪者を奇襲して一気に主導権を握る。
- 輪作や発見の誘惑でガイアの揺籃の地へアクセスし、トークンや小粒の横並びからビッグマナを確保。ジェスカの意志は指揮官がいれば両モードで爆発力が高く、回し直しの起点。
終盤
- 無限マナ(または超過マナ)へ到達したらトラシオスを連打し、必要なコンボ・踏み倒し・打点を揃える。
- もっともシンプルなのは鏡割りのキキジキ+士気溢れる徴集兵。ストーム寄りなら起源の嵐や精神の願望で踏破、ボード寄りならエント最後の進軍で一掃展開。
- 相手のリソースが尽きていない場合、船砕きの怪物で安全圏を作ってから決め切ると崩れにくい。
代表的なターン例
- 先手:T2 眷者の神童、キナン → T3 ジェスカの意志(大量マナ+追放領域からキャスト) → T4 起源の嵐から複数パーマネント展開
- 後手:T2 発見の誘惑(ガイアの揺籃の地を優先) → T3 自然の秩序で頂点壊滅獣 → T4 鏡割りのキキジキまたは騙し討ちで押し込み
マリガン指針
- キープ基準:2マナ相当の初動(1マナ域マナ生物×1+土地/0~1マナのマナファクト×1~2)+行き先(トラシオス、ジェスカの意志、自然の秩序、踏み倒し呪文のいずれか)。
- 強い手札例:モックス・ダイアモンド+土地+1マナ域マナ生物+眷者の神童、キナン/伝説の秘宝+ロフガフフの息子、ログラクフ+2色土地。
- 弱い手札例:大型のみで初動がない、色が合っていない、踏み倒しだけで弾がない。こうした手札は果敢に全戻し。
相性とメタ調整
- 高速コンボ卓:打ち消しが薄いと先行を許しやすい。青の枠で軽量カウンター(否認/呪文貫き)を増量すると改善。
- 盤面除去が多い卓:一気呵成の踏み倒し(エント最後の進軍は打ち消されない)が有効。横並びを作り過ぎず、船砕きの怪物や潮吹きの暴君でバウンス優位を作ってから展開。
- 置物が多い卓:耐え抜くもの、母聖樹の即時除去を意識。サイド調整可能なら自然の要求や活性の力の採用も視野。
キーカード解説(5〜8枚)
- 眷者の神童、キナン:非土地から出るマナが+1され、モックス・アンバーや太陽の指輪などが実質上位互換化。隙を見て5マナ能力で非人間クリーチャーを踏み倒す第二のエンジンにも。
- 伝説の秘宝:伝説クリーチャーをタップして色マナ。召喚酔いの伝説クリーチャーでもタップ可能なため、0マナのロフガフフの息子、ログラクフが即マナ源化するのが強力。
- モックス・アンバー:指揮官2体体制で常時起動しやすい0マナマナファクト。船砕きの怪物と組むと0~1マナのアーティファクトをバウンス→再展開でストームやマナを伸ばしやすい。
- 船砕きの怪物:呪文に反応するバウンスで対戦相手のテンポを粉砕しつつ、自軍の0~1マナアーティファクトを使い回して実質的なマナエンジン化。
- パリンクロン:ETBで土地7枚をアンタップ。ニクス咲きの古きものや高出力のガイアの揺籃の地と組み合わせると、自己バウンスを挟みつつマナが溢れやすい。
- 鏡割りのキキジキ:士気溢れる徴集兵と定番の無限トークン。徴集兵トークンのETBでキキジキをアンタップ→再コピーの繰り返しで任意数の速攻打点。
- ジェスカの意志:マナ加速と擬似ドロー(追放からのキャスト)を同時に担う1枚フィニッシャー。序盤の伸びと中終盤の決め手を両立。
- ガイアの揺籃の地:横並びをマナへ直結。ビヒモスを招く者、キオーラのアンタップや轟く声、ティシャーナのドローとも好相性。
失敗例と回避策
- 対称系踏み倒しの早打ち:実物提示教育やEurekaは相手の戦力も増える。自分だけが即座に優位を取れる札(船砕きの怪物など)と抱き合わせて解禁。
- 打点の作りすぎ:全体除去に合わせて過剰展開するとリカバリー不能。トラシオスの継続ドローを優先し、手札2~3枚は常に温存。
- ストームの空転:起源の嵐や精神の願望は前段のマナ確保が前提。ジェスカの意志やマナファクトから入り、土地・色マナの確保を先に。
- マナの色事故:序盤からロフガフフの息子、ログラクフを出し、モックス・アンバー/伝説の秘宝で色を整える。色が足りない手札は強気に全戻し。
ルール備忘
- 伝説の秘宝は、召喚酔いの伝説クリーチャーでもタップさせてマナを出せる(能力はアーティファクトのもの、クリーチャー自身の起動型能力ではない)。
- 訓練施設は起動型能力の無色部分のみを2減らす(トラシオスは4→2、パリンクロンの自己バウンスは2青青→青青)。
- ジェスカの意志は指揮官をコントロールしていれば2モード選べる。0マナのロフガフフの息子、ログラクフで条件を満たしやすい。
- 食物連鎖のマナはクリーチャー呪文にしか使えない。トラシオスの能力起動には使えない点に注意。
- 実物提示教育やEurekaは全員が同時に出し、ETB誘発はAPNAP順でスタックに積まれる。
置換・アップグレード案
- 受けの強化
- 追加案:否認/呪文貫き/意志の力。高速卓や全体除去の多い卓での耐性が上がる。
- 盤面リセット:サイクロンの裂け目。踏み倒し後の押し込みや時間稼ぎに。
- エンジン強化
- 追加案:直観(コンボ札や踏み倒しの的確なサーチ)、一つの指輪(継続ドロー+防御)、一望の鏡(サイズに依存するが展開とドローを兼ねる)。
- 緑の継続チューター:適者生存。クリーチャー経由のルートへアクセスを集中できる。
- ストーム寄せ:死の国からの脱出。0~1マナアーティファクトや軽量呪文の再利用でストームを伸ばし、船砕きの怪物の連鎖とも好相性。
- マナ基盤・予算対応
- 高額土地の代替:ガイアの揺籃の地の枠は、予算なら「ニクスの祭殿、ニクソス」で疑似ビッグマナ化。古えの墳墓は「偽りの神の神殿」で代用可(やや遅い)。
- デュアルランドの代替:Tropical Island/Volcanic Island/Taigaはショックランドやチェックランドの比率を増やして安定化。
いずれの追加も色拘束とマナ域のバランスを崩しすぎないように。このリストは「最速一本勝ち」ではなく「最速・安定・上振れ」のバランス設計なので、卓の速度に合わせて受け札と加速札の枚数を微調整するのが有効。
最後に一言
0マナのロフガフフの息子、ログラクフと、余剰マナを全部価値に変えるトリトンの英雄、トラシオスの組み合わせは、ビッグマナ/ストーム/踏み倒しのすべてを現実的にしてくれます。マナ基盤を丁寧に整え、最短勝ち筋と保険のどちらも常に意識できれば、ブラケット4の卓でも主導権を握り続けられるはずです。
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