注記:ゲームチェンジャーが10枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- トリトンの英雄、トラシオスは、余剰マナをドローと盤面展開(土地踏み倒し)に変換する最強クラスのマナシンク。起動コスト軽減やアンタップ源と組むと一気にゲームを掌握しやすい。
- 鋭い目の航海士、マルコムは飛行による安定した攻撃で宝物を生み、青い打ち消しを維持する燃料と、トラシオス起動の“種マナ”を供給する役割。序盤のテンポと中盤のインタラクション継続に直結する。
相性の良いカード
- 訓練場:トラシオスの起動コストを実質1まで軽減し、マナシンク性能を大幅強化。
- 生術師の使い魔:こちらも起動コスト軽減。訓練場と併用で常時1マナ起動を維持しやすい。
- 種子生まれの詩神:各対戦相手のターンでもマナを用意でき、トラシオス連打で盤面と手札が雪だるま式に増える。
- 輪作:ガイアの揺籃の地や錬金術師の隠れ家、ウルザの物語へ即アクセスし、局面に応じた最適解の土地を用意。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:トラシオスを中心にしたマナエンジン構築。軽減(訓練場/生術師の使い魔)+アンタップ(種子生まれの詩神)+高出力土地(ガイアの揺籃の地やオーラで強化した土地)でマナ優位を築き、トラシオス連打で圧倒的なリソース差を作って勝つ。
- セカンダリ勝ち筋:ETBアンタップ系の連打と手札・墓地リカバー(永続的なドロー、再利用)によるループ様の展開。対戦相手のリソースを打ち消し・バウンスで縛り、最後は展開したクロックと優位なスタックで締める。
無限やループの条件(例)
- 「トラシオスの起動が1マナ」+「無限マナ」=ライブラリーを掘り切れる。
- パリンクロン(自身の手札戻し能力を含む)+高出力の土地群(合計で再キャスト時にマナが純増する状況)で無限マナになりやすい。
- 不実+パリンクロン+クローン(例:ファイレクシアの変形者/フレッシュの複製体)でETBを繰り返し、土地の総生産がキャスト総量を上回るとマナが純増しやすい。
デッキの骨子
- マナ加速:クリーチャー加速(1マナ域多数)+エンチャントで土地強化(繁茂/肥沃な大地/はびこり/市場の祝祭)+マナファクト(太陽の指輪、金属モックス、モックス・アンバー)。
- ドロー:トラシオス本体、継続系(森の知恵、リスティックの研究)。
- 除去・打ち消し:軽量カウンター(白鳥の歌、払拭、狼狽の嵐、意志の力、精神的つまづき、秘儀の否定、拒絶の閃光、提督の命令、精神壊しの罠など)と一時的対処(バウンス)。
- 保護:夏の帳、タミヨウの保管、呪文滑り、セイレーンの嵐鎮め、契約系(否定の契約、召喚士の契約)。
- 勝ち手段:トラシオスの深堀りからの制圧、パリンクロン起点の無限マナ、Curio系ループでのアド差押し付け。
- エンジン:訓練場/生術師の使い魔/種子生まれの詩神/錬金術師の隠れ家(インスタント速度化)/土地パッケージ(ガイアの揺籃の地、古えの墳墓、エンチャント土地群、ウルザの物語)。
参考情報:ブラケット:4(オプティマイズ)
理由:ゲームチェンジャー級が10枚(ガイアの揺籃の地、リスティックの研究、俗世の教示者、古えの墳墓、意志の力、激情の後見、神秘の教示者、種子生まれの詩神、輪作、金属モックス)と濃く、相互作用も高速域に対応。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 1ターン目は1マナ域クリーチャー(極楽鳥、ラノワールのエルフ、エルフの神秘家、東屋のエルフ、喜ぶハーフリング)か、エンチャント土地(楽園の拡散、繁茂)で確実にマナを伸ばす。可能なら森の知恵かリスティックの研究を早期設置。
- 2ターン目に鋭い目の航海士、マルコムを展開。飛行で通りやすく、宝物がそのまま打ち消し維持やトラシオス起動の燃料になる。
- 打ち消し(白鳥の歌、払拭)を残しつつテンポよく進行。優先度はマナ基盤>継続ドロー>統率者の順。ただし卓の速度が高ければカウンターを構える判断を優先。
中盤
- トリトンの英雄、トラシオスを着地。ここからは余剰マナを起動に回し、毎ターンの地力を上げる。訓練場/生術師の使い魔があれば最優先で通す。
- 種子生まれの詩神や錬金術師の隠れ家が噛み合うと、相手ターンにも起動と展開が可能になり、実質的なターン数が増える。打ち消しと起動を両立し、相手の決定打を咎める。
- 輪作や探検の地図、ウルザの物語から必要な土地(ガイアの揺籃の地、古えの墳墓、統率の塔など)へアクセスし、出力の上限を押し上げる。
終盤
- ループや無限に入れそうならパリンクロンから狙う。確定でない場合も、トラシオス連打で実質的に盤面勝ちする展開が多い。
- クリーチャー枚数が増えたらガイアの揺籃の地で大出力→トラシオス起動でさらに加速。除去が薄い卓にはクロックを並べて圧殺、インタラクションが厚い卓には手数(起動回数)で上から踏み潰す。
- 「勝ち筋が見えたら全力で守る」。夏の帳、タミヨウの保管、契約系で決定打を通しきる。
代表的なターン例
- 先手:T2 鋭い目の航海士、マルコム → T3 リスティックの研究(打ち消し構え)→ T4 種子生まれの詩神、以降トラシオス起動を各ターンで回す
- 後手:T2 エンチャント土地(繁茂)→ T3 トリトンの英雄、トラシオス+軽量カウンター構え → T4 訓練場を通して起動連打
マリガン指針
- ベースラインは「2〜3枚土地+1枚以上の初動(マナクリかエンチャント土地)」か、「1枚土地+マナクリ2体以上+継続ドロー」。
- いずれかの統率者を3ターン目までに出せる手札を推奨。特にマルコム先出しは宝物で防御姿勢を作れるので安定する。
- 対高速卓では打ち消し1〜2枚(白鳥の歌、払拭、意志の力など)を初手に確保したい。逆に高コストのみに偏った手札、土地と相互作用が噛み合っていない手札は積極的に戻す。
相性とメタ調整
- 得意:中速のクリーチャー戦、手数で攻めるコンボ。マナとドローの伸びで“長いゲーム”に持ち込めばほぼ優位。
- 苦手:重いスタックス(ドラニスの判事系)、置物メタ、土地破壊が多い卓。これらには追加の置物破壊やバウンス厚めで対処。
- 調整案の例
- 置物対策を増量:再利用の賢者、自然の要求、交錯の混乱系の柔軟なバウンス。
- 一掃枠:サイクロンの裂け目はこの色域の最適解。テンポを取り返す性能が高い。
- クロック強化:コスト対効果の高い飛行持ちや打点源をピン挿しで、マナ優位から一気に詰めるプランも取りやすい。
キーカード解説(5〜8枚)
- 訓練場:トラシオスの起動を事実上1に固定。中盤以降の全手札が軽くなるイメージで、マナシンクの質を劇的に引き上げる。
- 生術師の使い魔:訓練場の5〜8枚目として機能。二重に置けても最終的な起動コストは1のままだが、除去に備えた冗長性として非常に重要。
- 種子生まれの詩神:ターンサイクル全体でのリソース獲得量を倍増させる中核。エンドステップ起動で実質的な“追加ターン”を重ねる感覚。
- 不実:非アーティファクトのETBを相互に使い回す。パリンクロンやクローンと絡むとループになりやすく、素引きでもテンポ獲得に長ける。
- パリンクロン:土地アンタップで一気に出力を跳ね上げるコンボ要。強化された土地群やトラシオスのシンクと併せて勝ちに直結。
- ガイアの揺籃の地:展開が進むほど爆発的なマナを供給。緑の大量展開と最高の相性で、パリンクロンやトラシオスのエンジンを最速で回す。
- リスティックの研究:継続ドローの柱。打ち消しを構えながら手札が減らず、長期戦に極めて強い。
- ウルザの物語:マナファクト(太陽の指輪、金属モックス、モックス・アンバー)や探検の地図へアクセス。序盤のマナ基盤から終盤の弾まで供給できる万能土地。
失敗例と回避策
- 契約の支払い忘れ(否定の契約/召喚士の契約):アップキープ前に優先権を得る前から計画し、宝物やアンタップ手段を確保してから唱える。
- 置物に寄せすぎて一掃に巻き込まれる:Curioやエンチャント土地が複数並ぶ局面では、手札に冗長パーツを抱え、打ち消しを構える。出し切らない。
- パリンクロンの突撃でマナが純増しない:着地前に土地出力を確認。エンチャント土地を優先し、トラシオスで土地密度を高めてからトライ。
- マルコムが通らない:到達・飛行持ちが多い卓では、無理に宝物を狙わずトラシオス先行で粘り強く。除去やバウンスを絡めて“安全に通す”順番を意識。
ルール備忘
- 訓練場/生術師の使い魔の軽減は合算できるが、最終的な起動コストは1未満にならない。
- 鋭い目の航海士、マルコムの宝物は「対戦相手ごとに最大1個」。複数の海賊が同時にダメージを与えても、各対戦相手につき1つ。
- トリトンの英雄、トラシオスは土地なら戦場に出し、それ以外はドロー。ライブラリートップ操作(森の知恵など)と好相性。
- 輪作は追加で土地を生け贄に捧げるのがコスト。打ち消されても土地は戻らない。
- ウルザの物語第III章は点数で見たマナ・コスト0〜1のアーティファクトを探す。対応して割られる可能性を考慮して起動順を調整。
- 錬金術師の隠れ家はインスタント速度でエンジンを差し込めるが、総マナは同じ。構えと順番で得を取る。
置換・アップグレード案
- 決着力の強化
- タッサの神託者:無限マナからトラシオスでライブラリーを掘り切り、そのまま着地で決着。1枠で勝ち筋が明確になる。
- サイクロンの裂け目:粘る卓を一掃して詰め切るカード。コンボ前の安全確保にも有用。
- 継続ドロー・防御
- 一つの指輪:ターンを跨ぐアド源と一時的な無敵。テンポを落とさず手札を増やす。
- 置物対策の増量(メタ次第)
- 自然の要求、再利用の賢者、帰化系:スタックスや墓地対策アーティファクトが多い卓に。
- 予算調整
- ガイアの揺籃の地の枠に「ニクスの祭殿、ニクソス」。最大値は落ちるが、中長期の伸びは十分。
- 古えの墳墓の枠に「反射池」や二色ファストランド(植物の聖域など)で色安定を優先。
- 金属モックスの枠に追加の1マナ加速(疾駆する悪意のワンド系や氷牙のタリスマン相当)を検討。
最後に一言
軽減・アンタップ・高出力土地の三本柱で“回すほど強くなる”のが本リストの本質。序中盤の丁寧なマナ設計とインタラクション管理がそのまま勝ちに直結する。卓の速度に合わせた構えを維持し、トラシオスの起動回数で上から押し切ろう。
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