注記:ゲームチェンジャーが7枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- ウラブラスクは、こちらがインスタントやソーサリーを唱えるたびに各対戦相手へダメージを与えつつ赤マナを生む、赤単ストーム戦略の核。連続して呪文を唱えるほどマナが増え、チェインが伸びやすい。状況に応じて変身させれば、追加のリソースや到達点を確保しやすい構造にもなっている。
- 相性の良いカード
- 語りの神、ビルギ:呪文連打で赤マナを補給し、手札が尽きても裏面の角笛で掘り進める。
- 嵐窯の芸術家:インスタント/ソーサリーで宝物を量産し、爆発ターンの燃料に。
- 遁走する蒸気族:呪文連打でカウンター→赤マナ化。ウラブラスクのマナ誘発と併走。
- ジェスカの意志:手札補充と大規模な赤マナ供給を同時に担うゲームチェンジャー。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:赤マナ儀式と一時的ドロー(衝動的ドロー/ホイール)でストームカウントを伸ばし、ぶどう弾でテーブルを落とす。チェインの過程でウラブラスク本体や「ETBでダメージ」「呪文でダメージ」を持つクリーチャー群が継続的にライフを削る。
- セカンダリ勝ち筋:死の国からの脱出やミジックスの熟達、炎の中の過去で墓地を第2の手札として再利用し、ホイール(Wheel of Fortune/魂の再鍛)を絡めてゲームを畳む。場合によってはディレイド・ブラスト・ファイアーボールのブーストダメージで押し切る。
- 無限やループ(条件のみ)
- 死の国からの脱出 + ライオンの瞳のダイアモンド + ホイール系(Wheel of Fortuneまたは魂の再鍛):LEDで手札を墓地に落としてから脱出でホイールを連打し、継続的に墓地を肥やしつつマナとカードを循環させる。
- 反復(買い戻し) + 高打点の赤マナ儀式(例:発展の代価) + マナ増加/コスト軽減(例:語りの神、ビルギやウラブラスクの誘発、ルビーの大メダルなど)で総支払いが黒字になる構成。十分な黒字化が達成されると実質的に無限に近いループになりやすい。
デッキの骨子
- 役割分担の総括
- マナ加速:赤マナ儀式(発熱の儀式、捨て身の儀式、炎の儀式、発展の代価、煮えたぎる歌、マナ噴出)、宝物生成(嵐窯の芸術家、一攫千金、大勝ち、予想外の授かり物)、アーティファクト(太陽の指輪、秘儀の印鑑、緋色のダイアモンド、魔力の櫃、ライオンの瞳のダイアモンド)。
- ドロー:衝動的ドロー(無謀なる衝動、レンの決意、舞台照らし、胸躍る可能性、無謀なる歓喜の行進)、ホイール(Wheel of Fortune、魂の再鍛)、リカバリー(炎の中の過去、ミジックスの熟達)、継続源(一つの指輪)。
- 除去/対策:削剥、稲妻波、冒涜の行動、赤霊破、紅蓮破、スタック介入(偏向はたき、稲妻曲げ、答えの要求)。
- 保護:スタックでの対象変更やコピー系、チェイン中の宝物確保、適切なタップアウト管理。
- 勝ち手段:ぶどう弾、高打点の全体火力(ディレイド・ブラスト・ファイアーボール)、継続的な蓄積ダメージ(ウラブラスク、電位の負荷系、執念深い炎焚きなど)。
- エンジン:語りの神、ビルギ、嵐窯の芸術家、遁走する蒸気族、勇気の徳目、墓地再利用群(死の国からの脱出、炎の中の過去、ミジックスの熟達)。
- 参考情報:ブラケット:4
- 理由:ゲームチェンジャーが7枚(ギャンブル、ジェスカの意志、ライオンの瞳のダイアモンド、一つの指輪、偏向はたき、死の国からの脱出、魔力の櫃)と多く、テーブル全体に即時影響を与える着地が多い構成。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2マナ域のマナファクト(秘儀の印鑑、緋色のダイアモンド)や、1マナ呪文+軽儀式でテンポを確保。敏捷なこそ泥、ラガバンやドラゴンの怒りの媒介者はマナ・掘削の両面で有益。
- 早期のウラブラスク着地はチェイン耐性を上げるが、対戦相手の除去が厚い卓では温存も検討。代わりに語りの神、ビルギや嵐窯の芸術家で土台を固める。
- 除去を惜しまない。削剥や赤霊破/紅蓮破で妨害要素(墓地対策、球体系、統率者依存のドロー源)を事前に排除。
中盤
- 1ターンに2~3枚ずつ衝動的ドローを挟み、手札と墓地を育てる。ジェスカの意志は最も強い起点。可能ならウラブラスクや語りの神、ビルギと同時に運用し、キャストごとの赤マナ誘発を最大化。
- ホイール系(Wheel of Fortune/魂の再鍛)は、宝物や余剰マナが残るタイミングで。相手の手札が多いときはリスクが上がるため、打ち所を見極める。
- 守りは薄くなりやすいので、偏向はたきや稲妻曲げは1枚温存してから大きく踏み込む。
終盤
- 墓地が肥え、マナも伸びたら決戦ターン。まずは死の国からの脱出や炎の中の過去で墓地を手札化し、儀式と衝動的ドローを繋げてストームを確保。
- フィニッシュはぶどう弾が本線。足りなければディレイド・ブラスト・ファイアーボールや、クリーチャーの誘発ダメージと合わせて打点を稼ぐ。
- リスク管理として、一つの指輪で手札を補充しつつ、必要に応じて無限の日時計で自ターンを安全に畳む選択肢がある。
代表的なターン例
- 先手:T2 遁走する蒸気族 → T3 ウラブラスク → T4 ジェスカの意志で大量マナ+衝動的ドロー → 儀式(発熱の儀式、発展の代価)連打 → ぶどう弾
- 後手:T2 語りの神、ビルギ → T3 嵐窯の芸術家+軽キャントリップ(促進、たなびく真紅)で宝物作成 → T4 死の国からの脱出 + Wheel of Fortuneで総リソース更新 → 追加の儀式・ドローから決め切り
マリガン指針
- 基準は「2土地+1マナファクト+1~2枚の衝動的ドロー」。これに軽い儀式かジェスカの意志があれば最優先でキープ。
- ウラブラスク単体や重いリカバリー(ミジックスの熟達)だけの手札は回し直す。ゲームを動かすのは1~3マナ域。
- 対策札(墓地対策や置物)を多用する卓では、削剥や全体火力が見えていればキープ評価を上げる。
- 一つの指輪が初手にある場合は、リソース勝ちの見込みが高まるため多少リスキーでもキープ寄り。
相性とメタ調整
- 得意:置物や重い呪文に依存する中速。こちらのチェイン速度とホイールで手札差を広げやすい。
- 苦手:課税・スタックス(球体、トーモッドの墓所系、ルール・オブ・ロー系)。これらが多い卓では、アーティファクト破壊と点除去の枚数を意識。
- 調整案
- 置物対策の強化:粉々系や追加の1~2マナ除去を検討。
- チェイン安定化:追加の1マナキャントリップ(針落としの同系統)や、もう少しだけマナファクトを厚く。
- アーティファクト再利用:ゴブリンの技師、ゴブリンの溶接工で等時の王笏やライオンの瞳のダイアモンドを拾うプラン。
キーカード解説(5〜8枚)
- ウラブラスク:呪文のたびに赤マナとダメージ。ストームの潤滑油であり、削り切る第2の勝ち手段にもなる。
- ジェスカの意志:単体で爆発ターンを作る最上位の起点。マナモード→衝動的ドローモードの順に解決して伸ばす構成が強い。
- 死の国からの脱出:衝動的ドローで追放された呪文や墓地の儀式を再利用し、実質的な連続キャストを実現。ホイールと組み合わさるとループに近づきやすい。
- ライオンの瞳のダイアモンド:手札全捨てのデメリットをホイールや墓地再利用で利点に変換。脱出や過去リソースと嚙み合う。
- ボーナスラウンド:続くインスタント/ソーサリーを複製。儀式やドローの価値が跳ね上がり、1枚でストーム総量を倍増させる。
- ミジックスの熟達:墓地のソーサリーを踏み倒して連鎖再開。オーバーロードでの一斉再利用は、リソースが尽きかけた局面の逆転打。
- 嵐窯の芸術家:チェイン中の宝物でマナを蓄え、ホイール後の再始動を保証する。フィニッシュの直前に出すと隙が少ない。
- 一つの指輪:安全着地と継続的なカード供給。負担カウンターによるライフ損失は無限の日時計で回避しやすい。
失敗例と回避策
- 早すぎるホイールで相手を助ける:自分のハンドが細いだけの状況でWheel of Fortune/魂の再鍛を撃つと、相手の手札を実質補充してしまう。宝物や赤マナの余力があるターンにまとめて。
- リソースの空打ち:儀式を先に吐きすぎてドローが続かない。1マナ衝動→儀式→衝動→儀式のように、常に次の1枚を見に行く順番を意識。
- 墓地対策に踏み込む:死の国からの脱出や炎の中の過去に依存するターンに墓地対策を合わせられると致命的。安全確認(対戦相手のマナの立ち方、公開情報)をしてから全押し。
- ボーナスラウンドの使い所:カウンターを多用する卓や、コピーされると困る呪文が見える卓では温存。先に除去・対策を吐かせてから。
- ギャンブルの落とし穴:ギャンブルで唯一解を探すときは、落ちても機能するルート(代替の勝ち手段や再利用手段)があるか確認。
ルール備忘
- ウラブラスクは「呪文を唱えたとき」に誘発。コピーは「唱える」ではないため誘発しない。複製前に誘発を整理するとマナ計算が安定する。
- ボーナスラウンドがコピーするのは「呪文」。アーティファクトの起動型能力(例:等時の王笏の起動)はコピーされない。
- 無限の日時計の「ターンを終了する」はスタック上の誘発を取り除く。自分のアップキープのライフ損失誘発に対応して使えば一つの指輪の負担を実質回避しやすい。
- 死の国からの脱出の脱出コストは追加コスト。コスト軽減の影響は受けないが、マナ浮きや宝物で賄える。解決で墓地が増えるため、次の呪文へ繋がる。
- ホイール解決中は手札を捨てて引き直す。手札が空になっても、解決後に衝動的ドローで追うルートを事前に用意すると安全。
置換・アップグレード案
- 安定化・掘り増し
- 追加の1マナキャントリップ(例:針落とし系の軽ドロー)を1~2枚増量して、チェインの底抜けを防止。
- 置物リソース:宝物の地図のような継続的な占術・宝物源は、長期戦での再始動に役立つ。
- スピード強化
- 土地加速:古えの墳墓の採用で、T2のウラブラスク/語りの神、ビルギ着地を現実的に。ライフ損失は全体火力で盤面を戻せるこのデッキでは許容しやすい。
- アーティファクト加速:厳かなモノリスを追加して、マナ噴出やホイールの前に一歩先んじる。
- 相互作用強化
- 置物破壊の厚み:粉々や追加の1~2マナ除去で、課税系・墓地対策に触れる手段を増やす。
- アーティファクト回収:ゴブリンの技師、ゴブリンの溶接工で等時の王笏やライオンの瞳のダイアモンドを継戦利用。
- 予算調整
- 高額枠の代替として、一つの指輪→継続ドローの別枠(例:やや遅いがエンジンになるアーティファクト)に差し替え。完全な同等性能はないため、キャントリップとホイール枚数を増やして総量でカバー。
- ライオンの瞳のダイアモンド枠は、速度より再現性を重視して精神石などの素直なマナファクトに。爆発力は落ちるが回しやすくなる。
最後に一言
ウラブラスクの赤マナ誘発は、赤単ストームにとって「踏み込みの一歩目」を常に保証してくれます。儀式・衝動的ドロー・ホイール・墓地再利用を丁寧に継ぎ、着地する順番と守り札の温存を徹底すれば、1ターンでテーブルを駆け抜ける爆発力を安定して引き出せます。環境の対策濃度に応じて除去とエンジンの比率を微調整し、自分の卓に最適化した赤い連鎖を組み上げてください。
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