注記:ゲームチェンジャーが4枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- ワイルドキャット隊長、サミは、赤白の速度と継戦力でアーティファクトを押し上げ、大型無色呪文へ接続する設計に最適。序盤から戦場に出し続けることでテンポとクロックの両面で圧をかけ、赤の爆発的なマナ供給と白の再展開支援を最大化する方針が噛み合う。
- 相性の良いカード
- 稲妻のすね当て:サミを速攻+被覆で守り、テンポよく攻撃や唱え直しに繋ぐ。
- ジェスカイの意志:サミが戦場にいれば一気にマナとカードを供給する主力の爆発源。
- 巧みな隠蔽:全体除去・単体除去・バウンスに強く、要パーツとサミを丸ごとフェイズ・アウト。
- 息詰まる徴税:ホイールや大量ドローに重ねて宝物を量産し、超過コスト域へ早期到達。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:マナファクト+宝物によるビッグマナから、絶え間ない飢餓、ウラモグや真実の解体者、コジレック、ファイレクシアへの門、アクローマの記念碑といったゲームを決める一撃を叩き込む。
- セカンダリ勝ち筋:エンジンで継続的優位を築き、横並び(トークンや大型アーティファクト)にアクローマの記念碑で一斉強化して押し切る。息詰まる徴税+Wheel of Fortuneで爆発的な宝物→連打の着地も強力。
- 追加の打点源:虚空間追いの情熱家は追放領域から唱えるたびにダメージを伸ばすため、フォモーリの宝物庫で追放したカードの踏み倒しや、衝動的ドロー系の呪文と噛みやすい。
デッキの骨子
- マナ加速:軽量のマナファクト(太陽の指輪、秘儀の印鑑、ボロスの印鑑、精神石、思考の器、オパールのモックス、魔力の櫃、永遠溢れの杯、スランの発電機、金粉の水蓮)+宝物生成(赤のディスカード+宝物呪文)。
- ドロー:一つの指輪、ジェスカイの意志、切望の宝石、印象的な高貴さ、統率者の宝球、Wheel系(Wheel of Fortune、魂の再鍛)。
- 除去:剣を鍬に、冒涜の行動、終焉の石、嵐の目、ウギン、イシュ・サーの背骨、エルドラージの「唱える」誘発(絶え間ない飢餓、ウラモグ)。
- 保護:巧みな隠蔽、稲妻のすね当て、自分へのダメージ軽減としての一つの指輪(特に古えの墳墓と好相性)。
- 勝ち手段:エルドラージのフィニッシュ、ファイレクシアへの門の逐次再アニメイト、全軍バフのアクローマの記念碑、大型アーティファクト(マイアの戦闘球、三重合身のタイタン)の面圧。
- エンジン:クラーク族の鉄工所(マナ化と墓地連動)、神秘の炉(ライブラリーからの連鎖)、師範の占い独楽(選別&ループ補助)、土地ギミック(ウルザの物語、発明博覧会)。
- 参考情報:ブラケット:4(ゲームチェンジャーは一つの指輪/古えの墳墓/息詰まる徴税/魔力の櫃の4枚。GC枚数が多く、速度と安定度が中上位域のため)
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2~3マナのマナファクトを優先展開。可能ならT1に太陽の指輪、秘儀の印鑑系からスタート。
- エスパーの歩哨やウルザの物語は早期に置くと継続的に得。サミに稲妻のすね当てを装備できると妨害に強い。
- 発明博覧会はライフを温存しつつ、アーティファクトが3つ揃う見込みがある卓ならキープ価値が高い。
中盤
- 爆発ターンの準備。息詰まる徴税→Wheel of Fortune/魂の再鍛で宝物を量産し、一気に9~12マナ域へ。
- ジェスカイの意志はサミが戦場にいる状態で唱え、マナとカードの両面で最大値を狙う。
- ねじ込みたい着地はファイレクシアへの門、神秘の炉、切望の宝石、マイアの戦闘球。除去が見えている卓では巧みな隠蔽を握ってから踏み込む。
終盤
- 絶え間ない飢餓、ウラモグや真実の解体者、コジレックでリソース差を決定的に。唱える誘発で妨害をはがし、戦闘で詰める。
- 機会があればアクローマの記念碑で全軍に回避・速攻・トランプル等を付与し、一撃でライフを刈り取る。
- 長引いた場合は神秘の炉+師範の占い独楽でトップを整えつつ、発明博覧会で必要パーツを順次サーチ。
代表的なターン例
- 先手:T2 太陽の指輪+2マナファクト → T3 ワイルドキャット隊長、サミ+ジェスカイの意志(大量マナ)→ T4 ファイレクシアへの門着地から盤面掌握
- 後手:T2 ウルザの物語(コンストラクト生成ライン)→ T3 章IIIでオパールのモックス or 師範の占い独楽を設置 → T4 息詰まる徴税+Wheel of Fortuneで宝物爆発→大型アーティファクト連打
マリガン指針
- キープ基準
- 土地2~3(うち1枚は赤源、白源を確保)+軽量マナファクト1~2枚。
- エンジンor上振れ札いずれか1枚(一つの指輪、神秘の炉、ウルザの物語、息詰まる徴税)。
- 早期の干渉or保護(剣を鍬に、巧みな隠蔽、稲妻のすね当て)。
- 返す手札
- 高コストのみが詰まった手札、色マナのない手札、マナファクトが薄く展開が遅い手札。
- Wheel of Fortune系のみでドローを当てにしている手札(事前のインフラがなければ不安定)。
相性とメタ調整
- 速いコンボ卓:1~2枚の追加対策を用意。候補は「打ち消し対策」の赤系(赤霊破/紅蓮破)や、墓地依存卓向けにトーモッドの墓所、墓掘りの檻。
- アーティファクト破壊が厚い卓:巧みな隠蔽の枚数は増やせないため、軽量装備の再展開と見事な修理、魂の再鍛での立て直しルートを意識。盤面に過度に伸ばさず、宝物を温存してから踏み込む。
- クリーチャー横並び:冒涜の行動、終焉の石、嵐の目、ウギンで一掃。続けて見事な修理でこちらだけ復帰する動きが通りやすい。
- リソース消耗戦:一つの指輪と発明博覧会、土地からの蓄え(フォモーリの宝物庫)で長期戦の上振れを作る。
キーカード解説(5〜8枚)
- 息詰まる徴税:多人数戦で真価を発揮。Wheel of Fortuneや印象的な高貴さに重ねるだけで宝物が雪崩のように増え、9マナ級の呪文を安全圏から着地させやすい。
- ジェスカイの意志:サミがいれば最大級の爆発。マナ加速と「追放して唱える」効果が同時に働き、1ターンに複数呪文を畳み掛ける起点になる。
- 一つの指輪:毎ターンのドロー増強。あなたへのダメージを防ぐため、古えの墳墓の自傷を相殺しながら展開を加速しやすい。
- クラーク族の鉄工所:アーティファクトを2無色に変換するエンジン。トークンや使い終えたマナファクト、搭載歩行機械などの再利用でマナを伸ばし、見事な修理等で回収する流れが強力になりやすい。
- 神秘の炉:ライブラリーからの連鎖展開。師範の占い独楽と合わせてトップ操作→連打の再現性が高まる。
- ウルザの物語:中盤のサイズあるコンストラクトで面圧を作りつつ、章IIIで太陽の指輪、オパールのモックス、師範の占い独楽、稲妻のすね当て、永遠溢れの杯などを直接戦場へ。
- ファイレクシアへの門:ETBで対戦相手に3体生け贄を強要し、以後はアップキープごとに墓地のクリーチャーを奪取。除去に乏しい卓ではこれ一枚で試合が傾く可能性が高い。
- アクローマの記念碑:全軍に飛行・先制・警戒・トランプル・速攻・赤黒プロテクションを付与。トークンや高打点の無色軍団に一気に決着力を付けるフィニッシャー。
失敗例と回避策
- 早期の全伸ばし→溶融系で壊滅:マナ基盤の過半を盤面に晒さず、宝物や手札のマナファクトを1~2枚温存。巧みな隠蔽のプレイタイミングを徹底。
- Wheel of Fortuneの誤用:自分の手札・盤面が先に伸びていない状態で撃つと、相手のアシストになりやすい。最低でも息詰まる徴税や追加マナが見えてから。
- クラーク族の鉄工所で色マナが枯渇:無色マナに寄りすぎると白赤のインタラクションが打てない。色源(マイア、二色土地、宝物)を1~2枚キープしてからKCIを起動。
- フィニッシュ不足:大型が見えていないなら切望の宝石や発明博覧会を優先し、着地札を確保してから全体除去で時間を稼ぐ。
ルール備忘
- ジェスカイの意志はサミが戦場にいるときに最大効果。追放したカードはそのターン中に唱える必要がある。
- 一つの指輪の「あなたは保護(すべて)を得る」はダメージを防ぐが、ライフ支払い・生け贄・手札捨ては防げない。自ターンの古えの墳墓のダメージは防がれる。
- ウルザの物語章IIIは0 or 1マナのアーティファクトのみ。対象候補の把握を事前に。
- ファイレクシアへの門はETBで各対戦相手にクリーチャー3体の生け贄を強要。アップキープの再アニメイトは任意の墓地から選べる。
- 巧みな隠蔽は召集で支払い可。フェイズ・アウトは「場を離れない」扱いのため、戻ったときは同一オブジェクトとして継続する。
置換・アップグレード案
- 守りと踏み込み
- 追加保護:テフェリーの防御(フルリセットへの最大保険)。
- 速度底上げ:厳かなモノリス、金属モックス、モックス・ダイアモンド(初動の成功率を高める)。
- サーチ強化
- 白の万能トップサーチ:悟りの教示者(状況に応じて巧みな隠蔽、発明博覧会、アクローマの記念碑などへアクセス)。
- レジェンド補助:伝国の玉璽(サミや決め札に直接到達)。
- アーティファクト連打の厚み
- 再帰エンジン:屑鉄回収の定番(例:Scrap Trawler相当のスロット)やゴブリンの溶接工/ゴブリンの技師を採用し、KCIと合わせて粘り強く。
- 打点増加:ヘルム・オブ・ザ・ホスト系で高インパクトETBの複製を狙う。
- ドロー源の代替:記憶の壺(Wheel代替として色を問わずに爆発力を確保)、頭蓋骨絞め(搭載歩行機械やトークンと相性良好)。
- マナ基盤
- 古えの墳墓の代替に水晶鉱脈など、初動を支える無色土地を追加検討。
- メタ対応
- 打ち消し卓向け:赤霊破/紅蓮破。
- 墓地卓向け:トーモッドの墓所、墓掘りの檻。
- アーティファクト卓向け:柔軟な除去枠に摩耗+損耗のような分割カードを検討。
最後に一言
サミは赤白の「前に出る力」を、アーティファクトの「膨張するマナ」と結びつける明快なゲームプランを持つ統率者。軽量のマナファクトと宝物で最短距離を駆け上がり、エルドラージや大型アーティファクトで試合を締める。守るべき局面では巧みな隠蔽と手札温存でリスクを抑え、好機にはジェスカイの意志や息詰まる徴税の爆発を重ねて一気に抜け切ろう。テーブルの速度に合わせた踏み込みと温存の切り替えが、そのまま勝率に直結するデッキだ。
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