注記:ゲームチェンジャーが13枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- 魔女、ヤ・シュトラ・ルルは、エスパーの色域で粘り強くリソース差を広げ、隙を見てコンボに寄せて締め切る構成に合致する統率者。序盤はアドバンテージの土台づくり、以降は打消しと護りで手番を伸ばし、フィニッシュに接続する動きが基本線。伝説が多い本リストではタップ要員としても扱え、攻防両面の要として運用する。
- 相性の良いカード
- 速足のブーツ:除去から統率者を守り、着地ターンのテンポ損を抑える。
- 塔の長官、ボロミア:手札以外から唱えられる呪文を牽制しつつ、起動で全体を守る保護役。
- 伝説の秘宝:伝説クリーチャーをマナ源化し、コンボ着地の速度と安定性を底上げ。
- うろつく玉座:選んだクリーチャー・タイプの誘発を倍加し、リソース獲得を加速。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:ボーラスの城塞から連鎖で呪文を吐き出し、霊気貯蔵器で致死量到達。師範の占い独楽があればトップ操作とキャスト回数の伸びが安定する。
- セカンダリ勝ち筋:血の長の昇天が育った状態で精神クランクを設置し、対戦相手のライフ喪失をトリガーにループで一気に削り切る。
- 無限やループの条件
- 血の長の昇天(カウンター3個)+精神クランク+「対戦相手が1点以上のライフを失う」誘因
- ボーラスの城塞+師範の占い独楽+霊気貯蔵器(十分なライフもしくは回復見込み)
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:太陽の指輪、各種タリスマン、秘儀の印鑑、友なる石、思考の器、伝説の秘宝、土地では古えの墳墓や宝石の洞窟。
- ドロー:一つの指輪、リスティックの研究、エスパーの歩哨、闇市の人脈、クルー用トークンを量産する秘密売り、ティヴィット。
- 除去:剣を鍬に、殺し、致命的なはしゃぎ回り、毒の濁流、告別、全体バウンスのサイクロンの裂け目。
- 保護:塔の長官、ボロミア、呪文滑り、巧みな隠蔽、とんずら、打消し群(意志の力、否定の力、マナ吸収、不許可、対抗呪文、秘儀の否定、巻き直しほか)。
- 勝ち手段:霊気貯蔵器、ボーラスの城塞、血の長の昇天+精神クランク。
- エンジン:息詰まる徴税、一つの指輪、秘密売り、ティヴィット、コピー群(賢いなりすまし、ファイレクシアの変形者)。
- 参考情報:ブラケット:4
- 理由:ゲームチェンジャー級の採用が多く(GC13枚:オークの弓使い、サイクロンの裂け目、ボーラスの城塞、リスティックの研究、一つの指輪、古えの墳墓、吸血の教示者、息詰まる徴税、悟りの教示者、悪魔の教示者、意志の力、激情の後見、神秘の教示者)、テーブル主導権を取りに行く最適化水準。
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2〜3枚の土地と太陽の指輪やタリスマンでマナ基盤を整え、エスパーの歩哨やリスティックの研究で継続的な手札補充を開始。可能なら息詰まる徴税を早期に通して中盤の支配力を担保する。
- 重要パーツは打消しで護りつつ、相手の爆発起点のみをポイント除去。無闇に手数を使わず、カウンターを温存する。
中盤
- ひと呼吸置いてから秘密売り、ティヴィットでクロック兼アド源を確保。宝物でコンボ着地の弾を増やし、手札は手掛かりで補充。
- 盤面が荒れてきたらサイクロンの裂け目の過負荷や告別でリセット。塔の長官、ボロミア・呪文滑りでキーパーツを守り、コンボの下準備(血の長の昇天設置、師範の占い独楽+ライブラリートップ整備)を進める。
終盤
- 打消しを2枚以上構えられる見通しが立ったら、ボーラスの城塞を着地。トップが重い場合は師範の占い独楽でほぐし、宝物で途切れをケア。十分に呪文回数が伸びるなら霊気貯蔵器で締める。
- 対戦相手のライフが動きやすい卓なら、血の長の昇天+精神クランクのルートも狙う。昇天のカウンターが揃うまでは無理に見せない運用が安全。
代表的なターン例
- 先手:T2 リスティックの研究 → T3 息詰まる徴税 → T4 秘密売り、ティヴィット
- 後手:T2 エスパーの歩哨+タリスマン → T3 一つの指輪 → T4 ボーラスの城塞(宝物や古えの墳墓込み)
マリガン指針
- 基本キープ条件は「2〜3土地+マナファクト1〜2枚+手札補充か妨害のどちらか」。いずれかが欠ける場合はマリガンを検討。
- 早期のアド源(エスパーの歩哨/リスティックの研究/一つの指輪のいずれか)を優先。メタが速い卓では打消し2枚以上の手も可。
- コンボ・ピースを初手に2枚抱えた場合、残りが脆いなら迷わず戻す。守り切れないコンボは価値が低い。
相性とメタ調整
- 速いコンボ卓:自由枠に追加のゼロ〜軽量打消し(例:激情の後見に続く厚み、もしくは軽量カウンターの比率増)を。塔の長官、ボロミアを優先展開して相手の「手札以外からのキャスト」を牽制。
- トークンや横並び:全体対処を増量(毒の濁流・告別の比率を上げる)。サイクロンの裂け目は常に過負荷で撃てるようルートを温存。
- 墓地利用:現状やや薄いので、サイド的な差し替えとして墓地対策アーティファクトの導入余地あり(自軍の城塞展開を阻害しにくいものを選ぶ)。
- ドロー過多・ホイール系:オークの弓使いと黙示録、シェオルドレッドで強烈に咎められるため、序盤から積極的に提示。
キーカード解説(5〜8枚)
- ボーラスの城塞:トップからライフで呪文を連打する主役。重いカードが見えたら一旦止まり、ドロースペルや独楽で再始動。
- 霊気貯蔵器:城塞の連鎖や軽量呪文の小刻み連打で一気に50点圏内へ。到達時に即射でターンを返さない。
- 師範の占い独楽:トップ固まりの解消と城塞ループの潤滑油。置き直しのテンポ損を宝物で補うと安定。
- 血の長の昇天:カウンターが3つ溜まればゲーム速度が跳ね上がる。達成後は精神クランクを探す最優先対象に。
- 精神クランク:単体では脅威度が低いが、昇天と合わさると一撃必殺に。相手のライフ喪失トリガー(戦闘、呪文、能力)を起点に全デッキを削り取る。
- 秘密売り、ティヴィット:宝物と手掛かりで経済を回す中核。コピー(賢いなりすまし/ファイレクシアの変形者)やうろつく玉座で誘発を強化すると、加速度的に優位に。
- 塔の長官、ボロミア:手札以外からのキャスト対策と、起動による全体保護を両立。コンボターンの前に着地させたい。
- 一つの指輪:着地直後の無敵化と継続ドローでリソースを補給。ターンを跨いでも守れる構えがある時に出すと安全。
失敗例と回避策
- 早すぎる城塞突撃:ライフが足りず止まると一気に脆くなる。独楽・宝物・追加ドローのいずれかが併走できる状況で着地。
- 打消し不在の強行:このデッキは「通した後に守る」より「通す前に守る」ほうが得意。コンボ開始前に最低1〜2枚の妨害を確保。
- 昇天の過早提示:育つ前に除去されるとテンポ損。育成見込み(卓のライフが動く、能動的に削れる)が薄いなら温存。
- 全体除去の過信:告別やサイクロンの裂け目は強力だが、撃つ順・撃つ窓を誤ると他卓のコンボを通す。打消しを同時に構える。
ルール備忘
- 血の長の昇天+精神クランクは双方の誘発が強制。ライフ喪失→切削→墓地落ち→昇天誘発→追加のライフ喪失…と自動で連鎖する。
- ボーラスの城塞はマナではなくライフで支払う。土地は唱えられないため、トップが土地で詰まったらドローや独楽で解消。
- 霊気貯蔵器は「あなたがこのターンに唱えた呪文の数」を参照。城塞から唱えた呪文もカウントされる。
- 塔の長官、ボロミアは「手札以外から唱えられた呪文」を打ち消す。フラッシュバック・想起・追放領域からの無料呪文などに強い。
- 時を解す者、テフェリーがいると相手はインスタント・タイミングで呪文を唱えにくく、コンボターンの安全が上がる。
置換・アップグレード案
- 速度と保護の強化
- さらなる初動強化:金属マナ(例:モックス系)として金属モックス、モックス・ダイアモンド、爆発力の魔力の櫃、テンポ加速の厳かなモノリス、色安定の伝国の玉璽。
- 打消しの厚み:否定の契約や追加の1マナ打消し類でコンボターンの可決率を上げる。
- 盤面保護:瞬速の全体保護としてテフェリーの防御を採用すると、除去密度の高い卓でも通しやすい。
- ロック・メタ寄せ
- サーチ封じ・強奪:敵対工作員で相手のチューターを逆用。
- ドロー封じ:覆いを割く者、ナーセットや概念泥棒でホイール系を牽制。
- 置物対策を増量したい場合は、単体解答の枠(例えば殺し)と入れ替えで柔軟に。
- 代替フィニッシュ・パッケージ
- ライフゲイン・ドレイン軸として、手持ちの追加候補にある極上の血+血なまぐさい結合や薄暮薔薇の棘、ヴィトをまとめて投入すれば、城塞に依存しない勝ち筋が増える(速度より冗長性重視の調整)。
最後に一言
エスパーの強みである「資源差の雪だるま」を最大化し、最短距離でフィニッシュへ接続する実用的なコントロール寄りコンボ。序盤の加速と継続的ドロー、そして要所の打消しを徹底すれば、どの卓でも主導権を握りやすい。コンボの見極めと守りの配分に慣れ、安定した締め切りを体で覚えよう。
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