注記:ゲームチェンジャーが20枚含まれるため、推奨ブラケットの下限は 4 です。
統率者の要点
- 魔女、ヤ・シュトラ・ルルは、勝ち筋自体には強く依存せず、色基盤とリソースの安定化を担うサポート型の統率者。打ち消しと除去の厚みを活かしながら、置物のアドバンテージ源と教示者でコンボを整える本リストでは、余剰マナが確保できたタイミングで展開し、継続的な手数の底上げ役として用いるのが基本。小粒のアド源が多い構成のため、場にいるだけで交渉材料になりやすい。
- 相性の良いカード
- リスティックの研究:継続ドローで各種フィニッシュに橋をかける。
- 息詰まる徴税:ドローとトークンで盤面と手札の両面を補強。
- 世慣れた見張り、デルニー:パワーの小さいパーマネントの誘発を増やしてリソース差を拡大しやすい。
- 好奇心:小型クリーチャーのチクチク打点をドローに転換。
主要シナジーと勝ち筋
- プライマリ勝ち筋:タッサの神託者 + Demonic Consultation(または汚れた契約)によるライブラリー消失からの即勝利。各種教示者・置物ドローで素早く揃える。
- セカンダリ勝ち筋:ボーラスの城塞でライブラリートップから連鎖し、霊気貯蔵器のライフゲインを伸ばして射程圏(50点射撃)に到達。師範の占い独楽でトップを整え、連鎖の安定度を上げる。
- 無限やループ(条件のみ)
- なし(本リストは高効率連鎖と即死コンボの併用。明示的な無限ループに依存しない)
デッキの骨子
- 役割分担
- マナ加速:金属モックス、水蓮の花びら、魔力の櫃、太陽の指輪、秘儀の印鑑、アゾリウスの印鑑、ディミーアの印鑑、威圧のタリスマン、発展のタリスマン、儀式(暗黒の儀式、陰謀団の儀式)。
- ドロー:一つの指輪、ネクロポーテンス、闇市の人脈、リスティックの研究、小型の継続源(エスパーの歩哨、オグマの文書管理人、フェアリーの黒幕)。
- 除去:剣を鍬に、四肢切断、殺し、屠殺、ファイレクシア化、全体処理(ヤヘンニの巧技、虐殺、サイクロンの裂け目)。
- 保護:打ち消し(意志の力、否定の力、狼狽の嵐、精神的つまづき、白鳥の歌、精神壊しの罠、誤った指図、水没)とターンシールド(沈黙)。
- 勝ち手段:神託者コンボ、城塞+貯蔵器の連鎖、場合により小型クロックの積み増し。
- エンジン:ネクロポーテンス、一つの指輪、リスティックの研究、息詰まる徴税、ボーラスの城塞+師範の占い独楽。
- 参考情報:ブラケット:4(理由:ゲームチェンジャー相当が20枚と非常に多く、高速コンボと厚い相互作用を両立。エキシビション〜カジュアルを明確に超え、cEDH寄りの最適化レベルに位置)
立ち回り(序盤→中盤→終盤)
序盤
- 2〜3ターン目までにアーティファクト加速を2枚前後展開し、打ち消しを構えながらアド源(エスパーの歩哨、フェアリーの黒幕、リスティックの研究)を設置。妨害多めの手札なら対戦相手の最速コンボを止めることを優先。
- 後手で宝石の洞窟がある場合はキープに寄せ、早期のネクロポーテンスや一つの指輪着地を狙う。
中盤
- 教示者群(悟りの教示者、神秘の教示者、吸血の教示者、悪魔の教示者)や鏡に願いを、直観、けちな贈り物で勝ち筋を絞り込む。妨害が厚い卓では沈黙のあるターンに合わせて決めに行く。
- 戦線が膠着しがちな卓ではボーラスの城塞を優先。トップが詰まるときは師範の占い独楽や起動型・サイクリング系で整える。
終盤
- 窓が開いたら神託者ラインへ。基本線は「神託者を唱える→誘発に対応してDemonic Consultation(または汚れた契約)でライブラリーを飛ばす→誘発解決で勝利」。
- もう一方の線は城塞連鎖。トップから軽量呪文を連打し霊気貯蔵器のライフを伸ばす。全体バウンス(サイクロンの裂け目)からの主導権奪取も有効。
代表的なターン例
- 先手:T2 リスティックの研究 → T3 ネクロポーテンス → T4 タッサの神託者 + Demonic Consultation
- 後手:T2 太陽の指輪 + エスパーの歩哨 → T3 鏡に願いを(で悪魔の教示者)→ T4 ボーラスの城塞 → 連鎖で霊気貯蔵器着地から射程
マリガン指針
- 採用優先(いずれか2点満たすならキープ目安)
- 2〜3枚の土地+アーティファクト加速1〜2枚
- 早いアド源(リスティックの研究、ネクロポーテンス、一つの指輪、エスパーの歩哨)
- 片側の勝ち筋に直結する教示者(悟りの教示者、悪魔の教示者)または鏡に願いを
- 回避推奨
- 相互作用だけの手札(クロックもアド源もない)
- 土地1枚かつ初動が0〜1マナアーティファクトのみ
- 勝ち筋・アド源なしの5枚以下再マリガンは思い切って戻す
相性とメタ調整
- 青ベースの打ち消し卓:決行ターンに沈黙を添える。相手のリソースが細いなら白鳥の歌や精神的つまづきを温存して勝ち合いに備える。
- 高速コンボ卓:こちらも加速→教示者の最速展開。精神壊しの罠、誤った指図、狼狽の嵐を優先キープ。
- クリーチャー横並び卓:虐殺やヤヘンニの巧技、返しのサイクロンの裂け目で時間を稼ぎ、城塞連鎖へ。
- サーチ多用卓:敵対工作員が強烈。あわせてオークの弓使いで手札補充に罰則を課すと主導権を握りやすい。
キーカード解説(5〜8枚)
- ネクロポーテンス:ライフと引き換えの最速大量補充。ドロー・ステップは飛ぶが、その他のドローは妨げない点を誤解しないこと。
- ボーラスの城塞:トップからの連鎖装置。軽量呪文の比率が高く、師範の占い独楽と合わせてほぼ毎ターン疑似ストームに。
- 霊気貯蔵器:城塞連鎖の決定力。50点到達で一掃、次のターン以降も盾として機能。
- タッサの神託者:プライマリの勝ち札。誘発は解決時の青への信心とライブラリー枚数を参照。
- Demonic Consultation:神託者の誘発に対応して唱える最短弾。存在しないカード名を宣言してライブラリーを飛ばす。
- 汚れた契約:柔軟な高速サーチ。シングルトン前提で構築されているため失敗しにくく、EOTからの仕込みにも最適。
- けちな贈り物:インスタント速度の4択。例:〔セヴィンの再利用/鏡に願いを/悪魔の教示者/妨害(沈黙など)〕で、「墓地+戦場+手札」の三面展開を迫る。
- 敵対工作員:相手のサーチを奪いながらアド差拡大。鏡に願いをと同時運用でタリスマンを相手に渡しても回収しやすい。
失敗例と回避策
- 決行ターンに妨害を踏む:神託者ラインは必ず1〜2枚の保護(沈黙、軽量カウンター)を同時に構える。手札が足りなければ先にネクロポーテンスや一つの指輪で弾数を増やす。
- 汚れた契約の誤運用:同名カードに当たると止まる。シングルトン構成だが、基本地形の枚数や二重採用がないか事前に把握しておく。
- 城塞が詰まる:トップが重いと止まる。都度師範の占い独楽、起動型(完全化の杖)、バウンス(天上都市、大田原)で解消。必要なら一度手を止めて次ターン再挑戦。
- 鏡に願いをの返却リスク:起動後に沈黙で封じるか、先に敵対工作員を着地させて回収計画を立てる。
- 早期ライフ消耗:古えの墳墓や儀式でライフが減るプランは霊気貯蔵器の回復ラインまで見据えて管理。無理に踏み込まない。
ルール備忘
- タッサの神託者:誘発は解決時にチェック。対応してDemonic Consultationや汚れた契約を唱えることで「ライブラリー0枚」の条件を満たすのが基本。
- ネクロポーテンス:ドロー・ステップをスキップするが、他のドローは通常どおり。支払ったライフで追放したカードはエンドステップに手札へ。
- サイクロンの裂け目:過負荷はソーサリー・タイミングのみ。決行ターンの前夜祭として使用し、隙を作ってから着地させる。
- 打ち消しの運用:意志の力・否定の力はハンドアド差が生じる。決行ターンの本命を通すために温存し、軽量(精神的つまづき、白鳥の歌)で前座を捌く。
置換・アップグレード案
- 爆発的初動を強化
- モックス・ダイアモンド:2色以上の初手安定性を上げる。土地枚数との相談で。
- ライオンの瞳のダイアモンド:直観やけちな贈り物→墓地経由の再利用ライン(セヴィンの再利用)と相性良好。
- 厳かなモノリス:ボーラスの城塞や複数呪文ターンの押し上げに。
- 介入力の増強
- 覆いを割く者、ナーセット:対ドローエンジン卓への高圧カード。自軍の置物ドローと役割が重ならないよう採用枚数を調整。
- ドラニスの判事:相手の複数呪文や踏み倒しを縛るメタピース。こちらの「同ターン連鎖」とは相性が悪いので、抜き差し運用。
- 探索と一貫性
- 伝国の玉璽:ウルザの物語から拾える追加サーチ。決行ターン前の組み立て時間を短縮。
- 墓地・置物メタの補完(環境次第)
- 墓地利用が濃い卓には軽量墓地対策(例:置物やアーティファクトによる継続牽制)をサイド的に想定し、枠調整で対応。
コストを抑える場合は、デュアルランド(Tundra、Underground Sea)やフォイルの高額枠から優先的に代替(ショックランドやチェックランド)へ。速度低下とライフロスは生じるが、打ち消しと全体バウンスの枚数は維持してゲームプランの骨子を崩さないこと。
最後に一言
統率者への依存度を抑えたエスパーの教示者コンボ。卓の速度に合わせて神託者ラインと城塞連鎖を使い分け、決行ターンは沈黙+軽量打ち消しで確実に通す。アド源の置物が生む手数で主導権を握り、短い「勝ちの窓」を逃さないのが勝率を押し上げる最短ルートです。
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